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キリマンジャロ・タンザニア連合共和国

1999年11月20日



日本時間0時



 キリマンジャロ Kilimanjaro
黄昏画像へとびます

 キリマンジャロは、高さ19,710フィートの雪におおわれた山で、アフリカ第一の高峰だといわれる。その西の頂きはマサイ語で「ヌガイエ・ヌガイ(神の家)と呼ばれ、その西の山頂のすぐそばには、ひからびて凍りついた一頭の豹の屍が横たわっている。そんな高い所まで、その豹が何を求めてきたか、今まで誰も説明したものはない。

 こんなに想像力を刺激する文を yu が書くはずもなく、ご存じのようにアーネスト・ヘミングウェー(Ernest Hemingway 1899-1961)の短編「キリマンジャロの雪」の書き出しです。この作品は映画化もされています。下のほうで紹介していますから、後でご覧ください。

 キリマンジャロはケニア国境に近いタンザニア連合共和国(Jamhuri ya Muungano wa Tanzania)にあり、ほぼ赤道直下にあります(南緯 3°1′東経 37°1′)。最近はツアーもあるほどの山になっていますが、登山経験のない人には無理なんじゃないでしょうか。なだらかな山なので案外登れるのかしら。しかし、アフリカ最高峰の火山で、シラ峰、キボ峰、マウェンジェ峰の3つの峰があるうち、主峰キボは5895mです。富士山なんて目じゃない。でも見た感じが似ている。頂上はやはり万年雪に覆われています。日本人もたくさん登っていますから、ここで星を見て感動した人も多いでしょう。付近ではチャガ人などによってコーヒー、バナナの栽培が行われるほか、サバンナ地帯にはマサイ人が牛牧を営んでいます。

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キリマンジャロ

キリマンジャロ
セレンゲティ国立公園

セレンゲティ国立公園

 頂上には、「我々は、かなた国境に輝くキリマンジャロ山頂に、灯火をかかげよう。絶望あるところに希望を、憎悪のあるところに尊厳を与えるために.....」と書かれたレリーフがあるそうです。キリマンジャロは、1960年代アフリカ植民地独立の象徴になっていました。このあたりの歴史を知っている人はあまりいないでしょう。では、簡単に歴史のお時間です。

東アフリカ大地溝

 タンザニア北部のセレンゲッティSerengeti平原にあるオルドヴァイOlduvai峡谷からは約200万年前の原人の骨が発見されています。世界最古の前期旧石器時代の遺跡で英国人でケニア生まれのリチャード・リーキーによって1959年ジンジャントロプス・ボイジイ、1961年にホモ・ハビリスの化石人類の骨が100体以上も発見されました。またカバ、ワニ、魚などの化石とともに、礫(れき)の一端をあらく打ち欠いたチョッパーが発見され、道具を使用した最古の人類の遺跡の一つです。このあたりは東アフリカ大地溝が走っているところで、大地溝は北は紅海から南はモザンビクまで延びています。この大地溝は動植物を化石化して、また露出させるという人類学者には宝の山(溝)みたいなところなのです。

 さて、時代をずっと駆け上り、8世紀頃からアラブ人やペルシア人がザンジバル島や沿岸のキルワなどに到来して豊かな商業都市を築きます。19世紀前半になると、マスカット・オマーンのスルタンが古くからインド洋交易の拠点であったザンジバルに本拠を移して王国を建設、さらにタンガニーカにも勢力を伸ばし、象牙、奴隷、チョウジの交易を支配します。特に奴隷貿易の基地として知られていきます。余談ですが、奴隷貿易はアフリカ西岸を中心にして15世紀半ばから1870年代まで続けられており、約1200万人が積み出され、そのうち航海中に200万人近くが死亡、さらに船に積まれるまでにほぼ200万人が死んだと言われています。

 さて、1884年にはタンガニーカにドイツが進出し、1891年全域を保護領としますが、両次大戦を経て英信託統治領となり、1961年英連邦内で独立、1962年共和制に移行します。この頃にキリマンジャロが独立の象徴になっていくわけです。一方ザンジバルは1890年英保護領となり、1963年スルタンを国王として北隣のペンバPemba島とともにザンジバル共和国として独立しますが、1964年アフリカ人を中心とする革命で人民共和国となり、同年タンガニーカと合邦します。こうして結成されたのがタンザニア連合共和国です。

 宗教的にはイスラム教が多数で、あとはキリスト教も多く、次いで伝統的アニミズム、ヒンドゥー教、シク教となっています。まだまだ生活環境は厳しく、乳児死亡率が極めて高く、平均寿命は40歳台になっています。人類にとってアフリカは母なる地。恩返ししたいものです。

 ところで、アフリカにも大ジンバブエ遺跡など大きな遺跡がいくつもありますが、黒人に文明が作れるわけがないという白人の人種観のために、それらの遺跡は白人が作ったものと長い間考えられており、遺跡の破壊は言うまでもなく、マヤと同じく金細工は溶かされて持ち出され、その歴史まで搾取されたと言っても過言ではありません。そのため古代についてはあまりわかっていません。



映画「キリマンジャロの雪」


映画「キリマンジャロの雪」シーン

THE SNOW OF KILIMANJARO 52年アメリカ 117分
監督:ヘンリー・キング 出演:グレゴリー・ペック、エバ・ガードナー、スーザン・ヘイワード

 キリマンジャロの麓で死にかけた小説家が半生を回想するという、原作に忠実に作られた映画です。この他に「キリマンジャロ・ストーンの謎」(88年フランス)、「キリマンジャロの悪魔」(86年アメリカ)、「キリマンジャロの秘宝」(86年イタリア)などが製作されています。冒険映画にパニック映画といかにも秘境ものっぽいです。


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黄  昏


 今回からは視野を広げています。今までは視野角を139度で見てもらっていましたが、165度に変更しました。さて、今回の星空はティカルの星空の続きになります。蛇遣いが沈んだ後に続く星座たちです。時差は-7時間になるので、日暮れは日本の0時頃になります。

 黄昏が終わると、たくさんの星座が見えてきます。日本では夏の星座たちに当たります。楯座が山の上で輝きます。楯座は17世紀にトルコの包囲からのウィーン解放を記念して星座になりました。銀河の中に埋もれたような星座ですが、散開星団M11があり、双眼鏡で楽しめます。明るい星から暗い星まで含めると200個ぐらいの集団です。望遠鏡で楽しめるM26もあります。南冠(みなみのかんむり)座は暗い星座です。射手座は黄道12星座のひとつで、星占いでもおなじみですね。星雲・星団の美しいところです。散開星団M23は双眼鏡で星々を分解することができます。すぐ左に有名な三裂星雲(M20)とラグーン星雲(M8)もあります。三裂星雲は青と赤の対比が美しい星雲ですが、フィルターをつけた小望遠鏡でないと見えないでしょう。ラグーン星雲は条件が良ければ肉眼で見れます。ピンク色で散開星団NGC6530と重なってもいる星雲なのです。またオメガ星雲あるいは白鳥星雲と呼ばれるM17も綺麗です。白鳥のような形は小望遠鏡で見れます。M25星団は双眼鏡で分解できます。M22星団は双眼鏡では分解できなくとも、星雲のようにつぶれて見えます。大口径の望遠鏡なら無数の星が見えてきます。

 次は鷲座を見ましょう。鷲座と言えば夏の大三角で有名なα星のアルタイル。アラビア名で「飛びかける鷲」です。0.8等星で、太陽の2倍の直径です。16光年の近い距離にあります。他には見物がない星座なのですが、γ星の近くにはバーナード142/143という暗黒星雲があり、望遠鏡で見ることが出来ます。「鷲座の暗い穴」とか言われています。ところで、1918年には鷲座には新星が出現し、極大時には-1等になったそうです。星座の形が変わったことでしょう。

 矢座は見るものないですね。琴座は織女のベガ(アラビア名:舞い降りる鷲)と惑星状星雲M57で有名です。夏の大三角を作る、ベガ・牽牛アルタイル・白鳥座のデネブはいずれも白っぽい色をした1等星です。M57は双眼鏡では暗い恒星に見え、望遠鏡で円盤状になっているのがわかります。yu は広島の山奥で口径20cmの望遠鏡で見ましたが、鮮やかなリングに見えました。撮影すると簡単にピンクが鮮やかなリングに写ります。斜め上の小狐座は亜鈴(あれい)状星雲M27です。鉄アレイの「亜鈴」です。ため息が出そうな美しい星雲です。双眼鏡でも見えるのですが、望遠鏡で見れば細部が見えてきます。月の4分の1もの直径があるので、200mmの望遠レンズで撮影すれば、形がよくわかります。

 白鳥座は夏に天頂で輝くのでよく見られている星座ですね。見物もいろいろ。まずα星デネブ(尾)のそばの北アメリカ星雲NGC7000。肉眼で見えます。「銀河鉄道の夜」にも暗示されている星雲です。わきにはペリカン星雲もあります。こちらはしっぽですが、頭のβ星アルビレオ(鳥)は2重星で色の対比が美しいです。「銀河鉄道の夜の星空案内」で確かめてください。十字に交わるγ星(サドル:胸)にはたくさんの散光星雲があるのですが、肉眼では無理です。でも、標準レンズぐらいでも撮影すると簡単に写ります。右の翼に当たるところには網状星雲NGC6960があります。超新星爆発による残骸です。これも肉眼では厳しいですが、明るいので撮影するよく写ります。「銀河鉄道ツアー」紹介した61番星は淡い赤とエメラルドの連星です。

 少し疲れてきましたが、もう少し見ていきましょう。インディアン座・顕微鏡座・小馬座・鶴座は見るべきものなし。海豚(いるか座)はγ星が重星でオレンジと青緑の星があります。山羊座は黄道12宮のひとつですね。α星アルゲティは2重星で視力の良い人なら分離できます。ケフェウス座は日本では周極星座で、1年中見ることができます。散光星雲や散開星団があるのですが、肉眼では無理です。μ星はガーネットスター(ざくろ石)と呼ばる変光星で、双眼鏡で暗赤色がわかります。この星のところにも散光星雲IC.1396がありますが、写真でないと姿はわかりません。変光星がもうひとつあり、δ星です。2重星でもあり、双眼鏡でわかります。

 水瓶座にあるのは球状星団M2です。肉眼で見つけられ、望遠鏡で星粒が見えてきます。もうひとつ「らせん星雲」と呼ばれる惑星状星雲NGC7293があり、満月の半分ぐらいの直径がありますが、暗い空で双眼鏡でやっとわかるぐらいです。写真は標準レンズでも写ります。南魚(みなみのうお)座はα星フォーマルハウト(魚の口)で知られます。1.2等星です。ペガスス座は馬の鼻先に当たるところに球状星団M15があります。双眼鏡で少しぼんやり見えるので、恒星との見分けがつきます。大きな星座ですが、他には見やすいものがありません。最後に周極星座のカシオペア座。α星はサドル(胸)と呼ばれます。王妃の胸ですね。散開星団M52とM103がありますが、あまり見応えないですね。散光星雲IC.1805と1848も写真でないとその存在がわかりません。写真で見るととてもきれいなところなんですけれど。ペルセウスとの境界あたりに肉眼で見える2重星団があるのですが、これはペルセウス座に属するので、またの機会に。

 今回はとっても文が長くなりました。きっと斜め読みかまるで読まなかったことでしょう。気が向いた時に、またキリマンジャロを登りに帰ってきて下さいね。



画像の見方


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時差 -7時 キリマンジャロ時間 20日18時から








キリマンジャロ・タンザニア連合共和国

1999年11月20日



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