「SF映画選」のトップを表示します


フィフス・エレメント

The Fifth Element
(Le Cinquième élément)


THE CINQUIEME ELEMENT

画像クリックで拡大、再クリックで元に戻ります(JavaScript使用)



97年・仏米 上映時間 126分
監督・リュック・ベッソン 脚本:リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン
撮影:ティエリー・アルボガスト 音楽:エリック・セラ 美術:ダン・ヴェイル
プロダクション・デザイナー:ダン・ヴェイル 衣裳:ジャン=ポール・ゴルチエ
セットデザイン:メビウス・ジャン・ジロー、ジャン=クロード・メジャース
出演:ブルース・ウィリス、イアン・ホルム、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ゲイリー・オールドマン


 今回は珍しくかなり新しい作品です。まだ見たばかりの作品を取り上げてもしかたがないと思ってはいるのですが、今回はいつもとはちょっと違う視点でみようという試みです。それは未来都市の街並みを眺めるというものです。街のデザインはフランスの漫画家メビウス Moebius Jean Giraud です。「エイリアン」では宇宙服のデザインをやっていたそうです。動いている映像では街の表情を眺めている余裕はないので、いっちょ静止画でじっくり見てみましょう。制作者も細かいところまで頑張っているのですから。そんなアホな試みに賛同する方は下の文字をクリックしてください。新しい窓を開いて画面いっぱいに表示にしますから見終わったら閉じて下さい。

シティを見る(297kb)

 1914年のエジプト。モンドシャワン人は「悪」を滅ぼす武器を地球に保管していたのですが、危険になったため鍵を代々この神殿を守ってきた神官に託し、武器を始動させるキーとなる4つの石(エレメント)と棺(フィフス・エレメント)を持ち帰ります。時を経て、2214年。5000年に一度の異次元の扉が開かれ、反生命体物質の接近により危機が訪れた地球を救うために、再びモンドシャワン人が宇宙船で地球にやってくるのですが、反生命体の手先となっている武器商人「ゾーグ」に雇われたマンガロワ人の攻撃に逢い撃墜されます。唯一回収された右手の染色体を複製することにより再生されたモンドシャワン人「リールー」こそが5つ目のエレメントであり、主人公とともに4つの石を求めていくのです。

 SF映画の楽しみはそのデザインを抜きにして語ることはできません。モンドシャワン人のモビルスーツ、いいですね。じゃあ、なぜキャプチャーしないかって。そりゃ、まだ見ていない人のためです。プロダクションからもそれをやっちゃお終いだよとクレームがきても困るし。でも、それ以外はステレオタイプであまり目をひくものはありません。ゴルチエの衣装もありきたり。宇宙船もぱっとしません。フロストン惑星上の豪華船(フロストン・パラダイス)もおもちゃっぽく見えます。ただ、町並みが現在の延長線上にあり、とても現実的です。ニューヨークを撮ってちょっといじったのかなと思わせるほどです。広いベランダで人がくつろいでおしゃべりしているシーンもあり、現実に引き戻されそうになります。

 ステレオタイプと言えば、「第5惑星」でも触れたのですが、悪役の醜いマンガロワ人は人間に変身することができ、その時やはりアフロアメリカンになるんです。まるでそれはタブーであるかのように絶対に白人にはなりませんね。

 特撮の出来は街のカーチェイス以外は良くないと思います。町並みとモンドシャワン人とミラ・ジョヴォヴィッチの魅力で見る映画です。「サブウェイ」も「グラン・ブルー」も好きな作品ですが、今回のリュック・ベッソンは何か違う。お遊びのしすぎ。ハリウッドの風に吹かれている。無意味に殺しまくったり、低級なユーモアなど、想像力を刺激するSF映画風の出だしの雰囲気をどんどん破壊していきます。「サブウェイ」や「グラン・ブルー」の感覚で撮っていたら、きっと名作になったと惜しまれます。モンドシャワン人の悲しみが伝わってこないのです。

 この映画では比較的俳優の年齢が高いように思います。未来社会ではクローン技術による臓器養殖?や人工臓器、また自然な再生医療の発達で寿命が延びることは確実です。もっと老人の比率を高めたリアルな映画も出てきてほしいと思ったりもするのですが、映画の出だしはそんな感触があります。しかし、相変わらずニューヨークが世界の中心というのが、最大のステレオタイプです。

 ところで、SF映画を見る楽しみの小道具ですが、町並みを走るバスの屋根には車体番号も描かれています。トレインが狭いビルの間を貫通して走っているのもわかります。地下鉄だけでは追いつかないようです。しかし、車道のルールについてはあまり考えられていないようで、事故が多発しそうです。すべて町並み画像で見てください。ロボットバーテンダーははずれ。屋台船もステレオタイプだけど、いい味出してます。しかし、日本のおっかけ女子高生は2214年になってもまだ追っかけやっているんですねえ。しかも制服を着替えないで、そのまま追っかけやるようになるんだ。この衣装もゴルチエ?



プリオシン海岸トップへ