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第5惑星

Enemy mine


ENEMY MINE

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86年・米 上映時間 108分
監督 ヴォルフガング・ペーターゼン
脚本:エドワード・カーマラ 音楽:モーリス・ジャール
原作:バリー・ロングイヤー 撮影:トニー・アイミ
エイリアンデザイン製作:クリス・ウェイラス
出演 デニス・クエイド、ルイス・ゴセット・ジュニア、リチャード・マーカス


 21世紀末、地球人はドラコ星人と戦争をしており、宇宙基地から出撃したダビッジは敵を深追いして第5惑星に不時着します。しかし、敵機も不時着しており、二人は争いと和解を繰り返しながら、深い友情で結ばれていきます。ドラコ星人は雌雄同体で、子どもを出産して死にますが、その子はドラコ星人を奴隷として働かせているもぐりの鉱山に囚われの身となり、ダビッチは救出に向かうことになります。

 この映画はリー・マービンと三船敏郎の二人しか登場しない映画「太平洋の地獄 HELL IN THE PACIFIC 」(68年米・日)と設定が同じです。太平洋戦争末期、南太平洋カロリン諸島の小島に流れ着いた日本海軍大尉と米海軍少佐がお互いの生存のために共同生活せざるを得なくなり、思想信条の違いから静かな戦争を繰り広げる異色の戦争映画です。第5惑星の前半部分はこの異文化の衝突という視点で描かれるます。こちらでは登場人物が二人ではなく、多数登場しますから、映画はもっとふくらみのあるストーリーが展開することになります。

「太平洋の地獄」日本のポスター       「太平洋の地獄」米のビデオパッケージ      「第5惑星」ビデオパッケージ

 原題の「MINE」には意味の重ね合わせがあるようです。それを明示するようなタイトルデザイン(上段左端画像)になっています。この映画が単なる異文化の出会いと異なる点は、血統の意味の問い直しにあります。ドラコ星では自分の家系を朗誦することが名誉であり、それは雌雄同体、つまり他の血が全く混ざらないというところから必然的なこととして理解できるわけですが、それは同時に血統が良い悪いという差別を生み出す問題から離れて、自分はどこから来たのかという明示により生命の尊さについても語ることになります。ミミズやカタツムリもいいもんだと思ってみたり......(^^ゞ ドラコ星人は卵で生まれてこないから卵胎生のカキ(牡蠣)のたぐいかもね。

 映画の意図から離れて、もうひとつ考えさせられるのは、ヒキガエル形のドラコ星人に扮するのがルイス・ゴゼット・Jr.で、その子に扮しているのもやはり黒人で、アメリカ文化の一端をかいま見る思いがすることです。この逆、つまり白人がドラコ星人の役をすることなど考えられないわけです。白人と黒人の人種衝突を描いていると言っても過言ではない設定と言えます。あるいは意図して描いていたのかも。

 物語とは別に宇宙空間や星の表情なども楽しめます。


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