プリオシン海岸  プリオシン通信

鳥からの贈り物

ありがとう


修学院修学院離宮、浴龍池
修学院離宮、浴龍池 (2枚合成)


紅葉が終わったので、京都に行ってきました.......(^^ゞ

京都より鄙びた奈良の方が好き、とどこかで書いた気がしますが、それでも僕には京都が第二の故里だけあって騒がしい街中であってもくつろいだ気分で過ごせます。

今回は趣向を変えて、なんとずいぶん昔に生活していた辺りを見てきました。上京区と左京区ですが、さすがに下宿先は二つとも跡形もありませんでした。銭湯もみんな消えていました。

当時も低いビルはたくさんありましたが、中原中也が通っていたらしい古い木造の古本屋もなくなってビルになり、我が下宿もノッポのビルに変貌していました。

三条近辺のバイト先のクリーニング店は見つからず。できればそこでお世話になった、北海道出身の苦労人ご夫婦と再会したかったのですが、時間の掘は二条城の掘よりも深かったです。

大学の先生の話は思い出さないけど、このご夫婦の生きざまや親切はことあるごとに思い出します。

果物屋の一角 しかし、変わらぬものがひとつ。ビルの谷間で当時もさびれていた果物屋が、朽ち果てずにというか、朽ち果てたままありました。これで儲けが出るのかと不思議に思っていましたが、その証拠が今ですね。いや、驚きました。

この京都で親しんだのが映画館。田舎の三重県ではロードショー(新作の封切り)館ばかりで、名画座(封切りから数ヶ月以上遅れたものや旧作を上映)はありませんでした。しかも、当時は鈴鹿市に映画館はありませんでした。

家から映画館に出掛けるのは電車代も含めてなかなかたいへん。だから、高校に出掛けてというか、正確には登校してSHRで出席を取ってもらい、それから映画館に出掛けていました。

これなら欠席にならないし、電車代も定期券でほとんど間に合うしね。一石二鳥ならぬ、出席二鳥......(^_^)

そんなある日の授業中、退屈でふと映画でも見に行くかと思いつき、教室を抜けることにしました。教室の廊下側は窓がなく、代わりに風を通す引き戸が壁面下部についていました。

ここから先に鞄を放り出して身体半分ぐらい抜け出した時、両手をついた先に誰かが立ちました。しまった!と観念して見上げることもなくゆっくり立ち上がったら、なんと下級生がニヤニヤ。

鞄が出てきたから見物していたらしい。笑顔で見返して手を振ってやりましたが、あいつは何をしていたんだろう。

そんなわけで映画を見るのは大変だったのです。「大変」の意味がちがうか.......(^^ゞ

今でも映画が好きなのは京都時代に安く見られる映画館があったからこそです。

1本300円とか、3本で800円でした。3本見るときは一日仕事です。いや、一日遊びでした......(^_^) 冬は朝から出掛けても、映画館を出る時は真っ暗。

最近映画を見る本数が加速気味。ちょっぴりコメントします。

近頃アニメが量産されていますね。まずはアニメから。

『カールじいさんの空飛ぶ家』 『カールじいさんの空飛ぶ家』 これは評判通り、回想の少年時代約5分だったか10分だったかが一番面白そうです。現在の話はただのドタバタで面白くないです。

思うに、どんなにつまらない人の人生でも10分の回想シーンにすれば感涙物の何かがあるものです。変わりない日常を送っている観客に自分の人生が実はドラマに満ちていることを想起させる映画にしたら良かったのになあ。

『アトム』 ご存じ鉄腕アトムです。凄まじい暴力が描かれ、日本らしい憂鬱さが漂っています。子どもが見ても面白くないでしょう。大人が見てもつまらないけど。

『9』 『9』 日本未公開でしょうか?テカテカのCGアニメは好きになれない。しかし、『9』はテカらず、しっとりとした色調で、キャラの容姿もクール。しかし、ストーリーはありきたりの戦闘ものへと展開し、騒々しく退屈。

『コララインとボタンの魔女』 こちらも日本では来年公開でしょうか?モデル・アニメーションのタッチで、これもプラスチック粘土のようなCGではありません。かなり人形っぽい。毛糸や布の質感がよく出ています。

英語版なら3Dグラス付きですでにDVDが出ています。もちろん3D対応機器がないと3Dでは見られません。

物語は昔話のエッセンスを取り入れて、いろんな絵を見せてくれますから退屈しません。数年経てば、3Dを別にしても今のCGとはまるで違うアニメーションが出てくる予感。

『アリス・イン・ワンダーランド』 『9』はティム・バートンのプロデュースですが、来年は彼の『アリス・イン・ワンダーランド』が来ます。実写とCGの合成です。今はみんなそうですが。『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』のメンバーですからだいたい想像がつきます。期待しません......(^_^)

ジョニー・ディップは帽子屋です。ヘレナ・ボナム=カーターは赤の女王です。いかにもです。それを見るのも楽しいかもね。

赤の女王が登場するということは『鏡の国のアリス』からも引用があるということですね。1951年のディズニー・アニメでもハートの女王は赤の女王の合成キャラだったので、この映画のリメイクになっているのかも。2010版もディズニー提供ですからね。

ちなみに、なぜ帽子屋が登場人物の一人になったかと言えば、英語のイディオム"mad as a hatter " [直訳:帽子屋のように狂っている/意訳:むちゃくちゃ狂っている] から来ているそうです。18世紀〜19世紀に帽子のフェルト加工に水銀を使っていたことから、中毒症状が見られたのでしょうか?

ジョニー・ディップの新作『パブリック・エネミーズ』はギャングのジョン・デリンジャーを演じていることで評判ですが、まさにこの一点だけでした。ディップ・ファンは楽しめますが、これといって新味のない展開で、ただのアイドル映画です。まあ、演じる本人も楽しかったでしょう。

『ターミネーター 4』 今回は逃亡劇とは趣向が異なっていますから、面白さ半減になりました。やはり4までくると飽きるな......(^_^)

『サブウェイ123激突』 1974年の『サブウェイ・パニック』から面白みを濾し取った残りかす。大物俳優二人出演なのにこんな駄作を作る不思議。

『愛を読むひと』 『愛を読むひと』 2008年もの。話のキーになる秘密がすぐにわかってしまうのが欠点。でも、見応えありです。『タイタニック』(1997年)と間を置かずケイト・ウィンスレット Kate Elizabeth Winslet を見たので、いろいろと思うことあり。

『ラスト・ブラッド』 チョン・ジヒョンも小雪も二人とも好きなので。しかし、予想通り最低作でした。

『レスラー』 『レスラー』 2008年です。手持ちカメラを多用したドキュメント風の作品で冒頭はかなりイタイ映画です。『ナイン・ハーフ』の頃の面影もないミッキー・ローク。『いとこのビニー』の頃の溌剌さをなくしたマリサ・トメイ。作品の意図通り、二人とも人生を両肩に背負ってます。

上手に生きることができない人たちの哀愁。作風がリアル過ぎて、切なくなってしまいました。ドラマなのか俳優の人生を見ているのか、どっちだ?

『グラン・トリノ』 クリント・イーストウッドですが、ダーティ・ハリーと自己犠牲を組み合わせたかのような、アメリカ作品としてはちょっとめずらしい。

『インビクタス・負けざる者たち』 『インビクタス・負けざる者たち』 クリント・イーストウッドの新作で来年日本公開。邦題は正確でないかも。ネルソン・マンデラがラグビーを通じて国民融和を成し遂げていく話ですが、実話物ということからか展開は直球勝負で、物語のふくらみに欠けています。

最近のイーストウッドはメッセージの強い作品を選んでいる感じがします。「遺言」を意識しているのでしょうか。

『サロゲート』 これも来年の日本公開のSF。パーマンの身代わりロボットは操縦できなかったけれど、こちらは操縦できる身代わり。しかし、話が盛り上がらない。

、『トリコロールに燃えて』 旧作もたくさん見ていますが、『トリコロールに燃えて』(2004年 アメリカ=イギリス=スペイン=カナダ) が良かったです。2時間では内容的にきつい作品で、もう30分かけて丁寧に描いてくれていたらもっと面白い映画になったはず。きっと2時間に抑えろってカットされたんだろうなあ。惜しい。3時間で見せてくれ。

面白い脚本がないのはアメリカも同様で、来年はSFのリメイクが連発される様子です。映画技術や演技に不満はないので、やはり脚本なんですよね。新作はなかなか面白いのがないので、そろそろ面白い映画を見たいなあと思うときは、結局見て良かった旧作をまた見ることになります。

ところで邦画がないじゃないかって?そうですね。邦画はやはり箱庭だから。憂鬱なのが多いから。映画見てまで憂鬱になりたくないというか(と思いながらも見てますけど)。コメディだとバカバカしいだけだし。

『ウォーターボーイズ』のようなのを期待して『おっぱいバレー」みましたね......(^_^) 脚本がダメダメで話がバカくさい。まるでイイとこなし。綾瀬さんがおっぱいを見せてくれないのもダメです.......(^^ゞ

古いのを言えば『砂の器』を見ました。昔のようには面白くなかったです。目が肥えたせいか、リアリティのなさが目についてしまいました。捜査報告する時に刑事が感情移入して涙するなんてありえません。人物造形がステレオタイプ。これも時代でしょうか。

アメリカ映画は掴みである出だしに力を入れていますが、邦画はあまり気にしていないような感じがします。映画館に入ったら、DVDを借りてもらったら、もうこっちのもの。眠ろうが見るのをやめようがご自由にということでしょうか。

『ウォッチメン Watchmen』

近年で出色だったのは『ウォッチメン Watchmen』(2009米)。タイトルバックがワクワクもので、やっと面白い映画が見られるかと勘違いしたほど。

アメリカ映画は出だしはどれも面白そうに見せてくれるのだけど、それだけなんだよね。そんなのならYouTubeで間に合う。

映画はTVで見ることはほとんどなくなりました。DVD画質ではなく、DVDを超える高画質をスクリーンに投影して見ると、ビデオよりフィルムに近い質感があります。液晶テレビでは大画面をフルデジタルで見てもやはりビデオですが、プロジェクター+スクリーン+音響システムだとフィルムに近い質感を感じます。

それは錯覚だろうという人もいるでしょうが、その通りです......(^_^) しかし、映画自体が錯覚なのですから、何の問題もありません。

安価なものなら大画面TVを買うのとそれほど変わりありません。映画好きな人にはお勧めします。大きなスクリーンだと距離がないと見づらいと思うかもしれませんが、すぐに慣れます。投影できる範囲で出来る限り大きなスクリーンを買いましょう。

でも、そのうち3D対応プロジェクターが出てきそうだし、もう少し「待ち」でしょうか。今『アバター』の3Dが話題ですね。見に行こうかなと思っています。劇場の左右の中央に座るのが賢明らしい......(^_^)

 『仁 Jin』 久々に見たTVドラマでは『仁』。原作はドラマ流行りのマンガですが、ドラマとしては非常にめずらしく演出も美術もリアリティがあって見れました。しかし、謎を解かず完結しないまま終わってしまったのはひどいです。

中谷美紀は力のある俳優だと思っていましたが、ここでの花魁役は見事。言葉では表せないものを表現していました。同じく出演して頑張っている綾瀬はるかがはるかに霞んでみえました。

さて、クリスマスも過ぎ、今年もいよいよ終わりです。今朝は隣家のおばあさんが亡くなったという報を受けました。元日は通夜で、二日が葬式になりました。

こういうことは珍しいことではありません。時々あります。亡き父はクリスマス前日だったし、親戚もいくつか例があるし、別の隣家も元日でした。冬は死の季節です。

今朝の朝刊には、大晦日が誕生日で嫌だったけど、ようやく1年の締めくくりと同じでいいなと思うようになったという投書が載っていました。冬は生の季節です。どっちじゃ.......(^^ゞ

昔の年末は正月準備で忙しかったですからね。子どもたちももちろんお手伝い。そして、クリスマスも誕生日も一緒にされて、お年玉まで影響を受けそうでタマランかもね......(^_^)

この夏まで京都に住んでいたという投稿者の文がいいです。「嵐山の寺々の除夜の鐘の音が、漆黒の闇のうちで共鳴し、深みを増していく中、一つ年をとり、新年を迎える----。それがとても厳かな儀式のように思え、この儀式に恥じないように一年を過ごしたいと思うようになった」

年末はいろんな贈り物が交わされる時期ですね。「これはうれしいな」とか、贈ってくださった人には失礼ながら「これはいらんな」とかありますよね。

僕の部屋の前のベランダには月に一度ぐらい差出人不明の贈り物が届けられます。今月はクリスマス前に届きました。そして、予想していた通りの差出人らしいことがわかりました。

ちょうど部屋にいる時に届けられたからです。屋根にコツンコツンと何かが落ちて転がる音が聞こえたかと思うと、ベランダに落ちてきました。そしてまた十秒後ぐらいに二つ目が転がり落ちてきました。

鳥からの贈り物:木の実 今月は二つだ!ベランダに出てみると差出人の姿はありませんでしたが、タイトル通りそれはきっと鳥なのでしょう。カラスと思っていたけど、カラスはヒュンヒュンと翼の音が聞こえる。聞こえなかったので、どうも別の鳥らしい。

贈り物は木の実ふたつでした。

鳥さんには申し訳ないけれど、いつも「これはいらんな」です.......(^^ゞ 一番「要らない!」と思った時はザリガニでした。でも、毎月とってもうれしいです。

当たり前のことながら、贈り物とは何か物を差し出しているわけではなく、気持ちを差し出してくれているのだから、何をもらおうが本当に感謝しなくちゃと素直に思えます。

鳥が今月贈ってくれたのは木の実ではなく、コツンコツンと転がり落ちてきたそんな素直な気持ちでした。

一昨日、白菜の葉を何枚も重ねて遊び半分包丁でざっくりとたたき切りしていたら、包丁が逸れて人差し指を叩いてしまいました。いい音がしたので指を切り落としたかと思いましたが、指を持ち上げたら指先もくっついてきたので一安心しました。

骨で止まったようです。まる一日痛みが引かず、今も人差し指なしでキーボードを打っているのですが、打ち直しばかり。それぞれの指が持ち場を覚えているので、人(指)事異動に対応できないのです。4倍ぐらい時間がかかりました。

しかしです!これがなかなか面白い。頭がここと指示しているのに、違うキーを押してしまうこの感覚。ラリっているかのような.......今年もこうして"mad as a hatter "な技師の2009年は暮れていくのでした。

今年も通信だけですけれど、月1回更新することができました。今月もぎりぎり.......(^^ゞ でも、当分何の約束もできません。指切りげんまんできないから。とりあえず人生の幕はまだ降ろさず、恥ずかしいことだらけで、来年もお互い生き続けましょう。

今年もご訪問ありがとうございました。みなさん、良いお年を。



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