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2014年09月


☆☆☆○○
ファーナス 訣別の朝 邦題 ファーナス 訣別の朝
原題 Out of the Furnace
制作 2013年 上映 116分
監督 スコット・クーパー 地域 アメリカ
寂れた鉄鋼業の街を舞台とした兄弟の確執と愛をめぐる物語です。聖書時代から続くテーマですね。ファーナスとは溶鉱炉のことで、灼熱や溶解というのはこの作品を象徴するものとして相応しいです。
この作品を見始めてすぐに連想するのは『ディア・ハンター』(1978)です。街の舞台や戦争をめぐる傷跡、そして行方不明者を探しに行くなど、多くが重なり、おまけに鹿狩りのシーンまで出てくるので、これはオマージュ作品なのだと思わせます。兄弟愛と友情という動機の違いはもちろんあるのですが、『ディア・ハンター』の傑作シーンを思い出してしまうばかりで、この作品が霞んでしまいました。面白いキャスティングなので、俳優たちの演技を楽しむ作品となりました。
それにしても『ディア・ハンター』はいろんな欠点はあるものの、やはりよく出来た作品だと思いました。公開当時に映画館で見て、その後テレビでも1回見た気がしますが、忘れっぽい僕が今でも様々なシーンを鮮烈に思い出すことができるのですから。


☆☆☆★○
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 邦題 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
原題 Guardians of the Galaxy
制作 2014年 上映 121分
監督 ジェームズ・ガン 地域 アメリカ
『スター・ウォーズ』(1977)の成功によって80年代はB級の宇宙冒険活劇がずいぶん出てきましたが、SFXの日進月歩を楽しむという側面もあって、話はつまらなくてもそこそこ楽しめたものです。言わば、ルークではなくハン・ソロを主役にした活劇群です。しかし考えてみれば、廃れていた西部劇を宇宙や他の惑星に置き換えただけのことでした。この作品も基本はやはり同じというか、あの時代のノリでCG満載の作品となっています。スペース・オペラが少なくなった現在だからこそより楽しめるかも。しかし、コミックが原作なので荒唐無稽な話には中々ついていけなくなっている僕には評価が難しいです。
人物配置は『スター・ウォーズ』とかなり相似です。悪から善まで、多数の人物を重ね合わせることができます。また、『隠し砦の三悪人』(1958)から続く弥次喜多コンビも健在で、ロッキーとグルートに引き継がれています。グルートは『スター・ウォーズ』の新三部作に登場したルーン・ハーコ(ニモイディア人)に容貌が似ていて、キャラ設定に『アバター』(2009)の影響も出ています。懐メロを聴きながら楽しむ中年向きかもしれません。


☆☆☆○○
フライト・ゲーム 邦題 フライト・ゲーム
原題 Non-Stop
制作 2014年 上映 107分
監督 ジャウマ・コレット=セラ 地域 アメリカ・フランス
サスペンス・アクション作が続くリーアム・ニーソンです。航空保安官は娘を亡くして酔っ払いのダメオヤジになっているというよくある設定。邦題は『フライト・プラン』(2005)を連想しますが、あれほどに脚本も緻密ではありません。
アクション度は低く、サスペンスが主になっているのですが、同じところをぐるぐる回っているようで、もうひとつ盛り上がらず。犯人像の描き方も浅く、あんな仲間割れはあほらしい。別のハイジャック作品でもありましたけどね。
設定をすこしずつ変更しているので気がつかないかもしれませんが、『ダイ・ハード』シリーズをいろいろとなぞっているところもあります。だから退屈はしないでしょう。



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