「シネマ短評」のトップを表示します


2014年07月


☆☆☆○○
GODZILLA ゴジラ 邦題 GODZILLA ゴジラ
原題 Godzilla
制作 2014年 上映 123分
監督 ギャレス・エドワーズ 地域 アメリカ
僕は世代から言えばゴジラにそれなりの感慨を持っていてもいいのですが、子ども時代、怪獣にはほとんど興味を抱かなかったので何にもありません。同タイトルの1998年版と比べると原作国日本を意識した作品になっています。
日本の地震災害や核実験の歴史まで取り込んでいますが、やり過ぎの感は否めません。原発事故の原因とか核実験は実験目的ではなかったなんていうのは不愉快。
この種の作品はストーリーがすでに決まっています。出現から居場所探し、対決、そして家族愛を絡めるという定番がやはり展開します。自由が残るのは演出のみです。どういうわけかほとんど夜のシーンですから暗いです。最近はこういう暗いシーンでのアクションを好む作品が増えているようです。
前作(1998)はゴジラファンには不評でしたが、今作はゴジラ・ファンには面白いのかもしれません。


☆☆★○○
複製された男 邦題 複製された男
原題 Enemy
制作 2014年 上映 90分
監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ 地域 カナダ・スペイン
ミステリーとされていますが、不条理劇という趣き。この話の筋は普通に描けば30分もかからないぐらいのものです。不安感を抱かせる映像で、じっくりと長い時間をかけて描いていきます。筋のない話が苦手な僕には前作の『プリズナーズ』(2013)よりも面白くないです。もっとシュールな映像が展開するのかと思っていたのですが、それもなし。原作は僕が嫌いな『ブラインドネス』(2008)の人でした。ジェイク・ギレンホールの二役ぐらいしか楽しめず。
邦題はSF映画と勘違いしそうですが、そういう側面はありません。ただし、原題のように『ジキル博士とハイド氏』のようなところはあります。


☆☆☆★○
オール・ユー・ニード・イズ・キル 邦題 オール・ユー・ニード・イズ・キル
原題 Edge of Tomorrow
制作 2014年 上映 113分
監督 ダグ・ライマン 地域 アメリカ
戦闘に出たくない少佐が最前線へと放り込まれ、異星人の血が混入したことでタイムループを繰り返しながら未来を予測することできるようになり、次第に戦闘能力を高めていくという一種の成長物語です。完成形が多いトム・クルーズには珍しい。まあ年齢的には成長が難しくはあります。
原作はライトノベルでも、近年のSF映画の売れ筋のプロットをたくさん取り入れており、映像的にもその通りなので、これはあれか、あれはこれかという場面が頻出しています。しかし、それでもアメリカ映画だけあって、その緻密さと規模のでかい映像はさすがです。
未来の戦争がいつも陸上戦を主体とするのは何故なのかという、抱いてはいけない疑問は今回も同じ。また、圧倒的に不利な闘いに勝利するために、要となる一部だけを破壊して勝利するという闘い方もいつもと同じ。大将の首を取れば勝ちという昔のやり方と同じなわけで、戦争ではなく戦場が描かれているだけです。敵がきちんと描かれないというのも同じ。一番気になったのは命の軽さでしょうか。
戦争なんかで死にたくなかった少佐なのに、その葛藤が描かれなくなるために、ビデオゲームのようにリアリティを失っていきます。それが眼目であったのかもしれませんが。死んだらリセットしてまた始めるというRPGそのままの設定なので、そういう作品にしたかったのでしょうか。冒頭の戦争に行きたくないトム・クルーズは見応えがあります。これが徐々に損なわれていくのが残念。
これはタイムループの物語の一種ですが、同じくトム・クルーズ主演の『オブリビオン』 (2013)ではクローンを通じて命のつながりを眺める視点がありました。単なるタイムループではなく、人の輪廻転生という視点もどこかに隠されたら、もっと深淵な物語になったのではないでしょうか。「ライト」ノベルには似合いませんか.......(^^ゞ
邦題は最低ランク、と思ったら桜坂洋の原作タイトルでした。しかし、アメリカ側がタイトルを変更したというのは....



プリオシン海岸トップへ