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2014年06月


☆☆☆○○
her 世界でひとつの彼女 邦題 her 世界でひとつの彼女
原題 her
制作 2013年 上映 126分
監督 スパイク・ジョーンズ 地域 アメリカ
her とは主人公セオドアの恋人となるコンピュータのOS(オペレーティング・システム)なのですが、そう説明されるより人工知能の方がわかりやすいですね。『2001年宇宙の旅』(1968)では対話だけでなく、宇宙船内の物語だったのでコンピュータの行動も見ることをできたのですが、今回は映像的には何もないに等しいです。対話のみと言っていい。その割には長尺です。
基本はラブストーリーなのですが、前半は出会い系の会話やテレフォンセックスとの違いがほとんどわからないぐらいで、人工知能としての特徴が感じられません。OSサマンサ役の声優となったスカーレット・ヨハンソンがローマ国際映画祭で最優秀女優賞をもらったそうですが、僕はあまり魅力を感じませんでした。ホアキン・フェニックスはいつ見てもいいですね。
やっとコンピュータらしさが出てくるのはマルチタスクというテーマが出てくるところでしょうか。サマンサはどんどん学習し、他の多数と対話して成長していきます。そして人間と同じように、出会いがあれば別れがある世界へと踏み込んでいきます。また、セオドアの職業が代筆業というのも面白い設定です。なかなか評価のよい作品ですが、僕には少々退屈でした。SF的なことを言えば、こういう恋愛は確かに近未来の現実となるのでしょう。


☆☆☆○○
ポンペイ 邦題 ポンペイ
原題 Pompeii
制作 2014年 上映 105分
監督 ポール・W・S・アンダーソン 地域 アメリカ
うちのサイトでポンペイのページを作っているぐらいポンペイは面白いですが、この作品はポール・W・S・アンダーソン監督ということで予想通りのアクションものになっています。
いわゆるスパルタカス系統のよくある話で、そこにヴェスヴィオ火山の噴火をCGで豪勢に描くものです。アクションは例によって映像で作っているので迫力はありません。ポンペイのセットは忠実に作られたようですが、ヴェスヴィオ火山の噴火は歴史的、科学的なことを無視して映像を派手にすることに徹しています。そういうスペクタクルが好きな人には面白いかもしれませんが、迫り来る火山弾や火砕流から逃れるシーンなどは荒唐無稽で白けたりもします。
ポンペイ人の日常を描くような映画が作られたら悲劇の傑作が生まれるような素地があると思うのですが、だれもそんなことをしてくれそうにないのが残念です。



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