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2014年03月


☆☆☆○○
ロボコップ 邦題 ロボコップ
原題 RoboCop
制作 2014年 上映 117分
監督 ジョゼ・パヂーリャ 地域 アメリカ
2028年の設定になっています。オリジナルはポール・ヴァーホーヴェン監督で1987年です。そんなに昔だったか。オリジナルはロボとしての動きやセリフなど、カッコいいシーンもいろいろあって面白かったですが、今回は悲劇を強調していてあまり面白くありませんでした。ロボコップとして活躍する晴れやかなシーンがほとんどないので、今作は相棒の女性も出てきません。マーフィの心を描く方に重心が移っています。新しい『バットマン』シリーズの影響でしょうか。
ゲイリー・オールドマンが悪役をせずにお茶の水博士みたいな役割をするというところに新ロボコップの性格が表れています。中年に入ってから善人を演じるようになったゲイリー・オールドマンですが、悪役をやっていたらこの作品ももっと面白かったと思います。


☆☆☆☆○
それでも夜は明ける 邦題 それでも夜は明ける
原題 12 Years a Slave
制作 2014年 上映 134分
監督 スティーヴ・マックィーン 地域 アメリカ
実話もの。近頃のアメリカではドラマやホラーのジャンルでは実話ものの比率が非常に高くなっています。ニューヨーク市民だった黒人音楽家が誘拐されて南部の農園に奴隷として売り飛ばされ、そこから救い出されるまでを描く作品です。
今回のアカデミー作品賞が契機となって、161年前のNYタイムズ記事が訂正され、被害者のソロモン・ノーサップのスペルが間違っていたとのこと。1853年1月の記事だそうです。南北戦争が1861年から始まりますから実質的な奴隷解放までまだずいぶん時間があります。
北部の自由黒人と南部の黒人奴隷という地域格差の大きさ。この時代の社会状況を俯瞰するような場面がないので、アメリカ人以外にはわかりにくいところがあります。アメリカでは1808年に憲法でアフリカからの奴隷輸入を禁じていたので、密輸や誘拐が生じることになったようです。また、ドラマ全体を俯瞰するような描き方もなく、主人公ソロモン・ノーサップの視点を中心に描いていくという素直な展開です。その意味では社会派作品というよりは個人のドラマに比重がかかっています。自由の意味や人の非情の源などいろいろ考える感動作ではありますが、奴隷制を描いた映像作品の中では『ルーツ』(1977)を凌ぐ作品はいまだないと思えます。


☆☆☆★○
リディック:ギャラクシー・バトル 邦題 リディック:ギャラクシー・バトル
原題 Riddick
制作 2013年 上映 119分
監督 デヴィッド・トゥーヒー 地域 アメリカ
1作目が「ピッチブラック」(2000)、2作目が「リディック」で今作が第3作目になるシリーズです。2作目で「リディック」というタイトルを使ってしまったので、ギャラクシー・バトルというアニメ風タイトルがつけられています。でも、やはりこのシリーズは銀河ではなく、惑星上でのバトルです。もともとサブキャラだったリディックが主役になっていったシリーズでもあります。
1作目と2作目とはずいぶんテーマが異なったのでどっちが本流なのかわからない感じになっていましたが、これを見れば1作目が正統らしいです。2作目は大作の趣があってネクロモンガーという凶悪な種族との闘いになっていましたが、B級SFの面白さが消えていました。帝国との闘いという古くさい話と変わりありませんでした。今作はこれという話はないのですが、ヴィン・ディーゼルの魅力が全開になる演出なせいか楽しめます。CG満載で描くエイリアンの造形や闘いの演出はやはり「エイリアン」(1979)が基本になっています。あれは今世紀のSFアクションにも影響を与え続けていく作品ですね。



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