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2014年01月


☆☆☆★○
ザ・イースト 邦題 ザ・イースト
原題 The East
制作 2013年 上映 116分
監督 ザル・バトマングリッジ 地域 アメリカ
劇場公開されなかった『アナザー プラネット』(2011)のブリット・マーリング主演です。『アナザー プラネット』は異色なSF作品で、ラストシーンが印象に残りました。『ザ・イースト』もこの種の作品のラストシーンとしては今までにない終わり方です。
この作品は環境破壊をしている企業へのテロ活動を行っている集団へ潜入捜査を行うサラが主人公。テロ集団はカルト教団のようでもあり、しかも繋がり方も緩く、まさに正体不明。サラがこの組織と自分を送り込んだ会社の間で揺れ動きながら、最後は何処へ向かうのかを見ていくことになります。ブリット・マーリングはミスキャストではないかという気がしましたが、サスペンスというより、70年か80年代の青春ドラマっぽいところもあって、そこそこ楽しめました。エレン・ペイジが彼女らしい役をしています。


☆☆☆☆○
7番房の奇跡 邦題 7番房の奇跡
原題 7번방의 선물
制作 2013年 上映 127分
監督 イ・ファンギョン 地域 韓国
新味に欠けるものの、いかにも韓国風味の人情コメディーになっていて楽しく見ました。冤罪と父娘の絆と刑務所という組み合わせになっていて、『アイアムサム』と『グリーンマイル』と『ショーシャンクの空に』が組み合わさったようなものでしょうか。
邦題はやはりミスで、「奇跡」でもなんでもありません。『グリーンマイル』の影響から来たタイトルでしょうか。原題では「贈り物」です。知的障がいの男親と可愛い幼子という組み合わせから制作側の下心が見えて嫌だと思う方もいるでしょう。ファンタジーの側面があるためか推理や法廷での場面がおざなりになってしまったところもあり、作品としてのテーマ性やまとまりではなく、場面場面を楽しむ作品です。


☆☆☆○○
エンダーのゲーム 邦題 エンダーのゲーム
原題 Ender's Game
制作 2013年 上映 114分
監督 ギャヴィン・フッド 地域 アメリカ
エンダーという少年が天才指揮官として過去に侵略してきたエイリアンから地球を防御するために先制攻撃を仕掛ける話です。原作はまったく知りませんが、アメリカの戦史とバトルゲームを揶揄するような味付けがある宇宙戦争ものになっています。前半は士官学校の宇宙ものなのかと退屈気味に見ていましたが、ラスト近くになってようやくこの作品のテーマが見えてくるような展開です。
いつものことながら敵のエイリアンの造形にも技術力にも納得がいかないものがありますが、こんな子どもたちの即興のアイデアで戦争に勝つというリアリティのなさにもなかなかついていくのは難しいです。十代向きの作品と言えます。


☆☆★○○
キリングゲーム 邦題 キリングゲーム
原題 Killing Season
制作 2013年 上映 85分
監督 マーク・スティーヴン・ジョンソン 地域 アメリカ
ゴーストライダー (2007)の監督です。ボスニア紛争を背景にした復讐劇とは言うものの、劇というほどのものはなく、邦題通りのハンティング・ゲームと言うべきでしょうか。セルビア語なまりで話しているらしいジョン・トラボルタと、元アメリカ兵士のロバート・デ・ニーロの格闘がメインです。あとは取って付けたようなもの。
ロバート・デ・ニーロには『ディア・ハンター』(1978)というベトナム戦争もの傑作がありますが、よく話題に上がるシーンよりも鹿狩りのシーンが今でも印象に残っています。事実としての戦争を背景に置くなら、もっと人間を丁寧に描いてほしいものです。


☆☆☆★○
さよなら、アドルフ 邦題 さよなら、アドルフ
原題 Lore
制作 2012年 上映 109分
監督 ケイト・ショートランド 地域 オーストラリア・ドイツ・イギリス
戦後の長い間、遠慮があったためかナチスの子どもたちの運命が描かれることはなかった気がします。そういう作品を見た記憶がありません。両親を失った子どもたちがナチスに対する厳しい目がある混乱の中を祖母の家を目指して行くという、話としてはわかりやすい展開です。
そこに一人のユダヤ人青年トーマスが絡み、彼に助けられることで話に膨らみが出てきます。まあ、これもわかりやすい味付けですね。ところが、トーマスはそうそう単純ではなかったというところで人間の真実が見えてくることになります。主人公は14歳のローレ。長女であるがゆえに気丈に振る舞いながら、自分がどんな世界で過ごしてきたのか、その真実を知っていくことになります。
ローレ役のザスキア・ローゼンダールも、トーマス役のカイ・マリーナもいいです。


☆☆★○○
ブラインド・フィアー 邦題 ブラインド・フィアー
原題 Penthouse North
制作 2013年 上映 85分
監督 ジョセフ・ルーベン 地域 アメリカ
『ドリームスケープ』(1984)の監督と脚本のコンビ作品です。『ドリームスケープ』は案外面白い作品でしたが、今回は脚本も演出もだめです。オードリー・ヘプバーンの『暗くなるまで待って』 (1967)の亜流作品と誰でもわかりますが、ストーリーが単純でキャラもつまらない。音に対する工夫もないですし、妹夫婦の登場も無駄になっているだけ。何がしたかったのかよくわからない。
ミシェル・モナハンは『M:i:III(2006年)でも囚われる役どころでしたが、今回もです。こういうのはストレスでしょうね。マイケル・キートンは禿頭の悪役で、かつてバットマンをやっていたとは思えないです......(^_^)


☆☆☆○○
オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主 邦題 オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主
原題 Odd Thomas
制作 2013年 上映 97分
監督 スティーヴン・ソマーズ 地域 アメリカ
主人公の名前が奇妙なんですが、映画も奇妙な感覚があってそれがウリ。しかし、期待していたほどではなくて、もっとシュールな展開があってほしかった。死者が見えるオッドは日頃から死者に親切にしている変わり者。悪霊であるボダッハも見えて、これが出現し出すと流血事件が起こる予兆となります。事件を防ぐために、これまたちょっと変にカワイイ恋人と悪銭苦闘するというストーリー。
原作がベストセラーらしいですが、それほど面白い展開があるわけでもありません。この変なカップルに魅力があるぐらい。欠点はボダッハの造形が陳腐なこと。主演はアントン・イェルチン 。恋人役は先月見た『ミッドナイト・ガイズ』 (2012)のアディソン・ティムリン。コメディ色が強いのでお似合いの二人です。ウィレム・デフォーもとぼけたキャラで出てきます。


☆☆☆○○
インシディアス 第2章 邦題 インシディアス 第2章
原題 Insidious Chapter 2
制作 2013年 上映 106分
監督 ジェームズ・ワン 地域 アメリカ
幽霊屋敷物のバリエーションですが、霊界である向こう側の世界も描かれるのが異質でしょうか。しかし、向こう側は想像力不足で具体的なイメージは結ばれていません。こちら側とあちら側がバランス良く描かれていたら、いい作品になったかもしれません。
父親の体が乗っ取られるというのはスタンリー・キューブリックの『シャイニング』(1980)と同じですね。あの怖さはありませんけれど。


☆☆☆★○
大脱出 邦題 大脱出
原題 Escape Plan
制作 2013年 上映 116分
監督 ミカエル・ハフストローム 地域 アメリカ
『大脱走』をもじった邦題で、スタローンとシュワルツェネッガーの組み合わせならこういうタイトルもありかという感じでしょうか。二人ともあまり賢そうには見えないのに知的な行動をするというところが興味をそそるところ。
刑務所に潜入したはずが裏切られて投獄されることになるという設定は時々あるのですが、今までにない味付けがされていて面白く見ることができました。しかし、脱獄困難をうたった刑務所の割には身体検査をしないし、監視も緩いなど、やはりツッコミどころはいろいろあるのが残念です。サム・ニールのドクター役も使い方が中途半端。最後の銃撃戦やオチもつまらない。こういう詰めの甘さは二大アクションスターにアクション・シーンを演じさせるために仕方がなかったのでしょうか。そろそろお年だし、もっと新しい演技を求めても良かったのではないかと思うのですが。



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