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2012年01月


☆☆☆☆○
運命の子 邦題 運命の子
原題 趙氏孤児
制作 2012年 上映 128分
監督 チェン・カイコー 地域 中国
司馬遷の『史記』にある『趙氏孤児』が原作です。司馬遷ということで、すでに話自体に古典的な面白さがあるわけですが、それに更に磨きをかけた脚本になりました。権力闘争と復讐劇。そこに遺児の生まれと育てをからめて、親や代父の揺れる愛憎が絡んでいきます。
復讐劇の単純さから抜け出して物語に膨らみをもたらしただけでなく、遺児は一体だれなのかというサスペンスも織り込んで、紀元前の物語を現代的に描きます。長年に亘る復讐計画で、計画時に参加していない遺児も含めたものなので、計画通りにはいきません。復讐劇はこうじゃなくちゃと納得したくなる展開です。
不満は最後の復讐が果たされる場面ですね。重要な場面ですが、復讐する側が圧倒的に弱いので、都合の良さが目立ちます。またその場面のアクションが派手すぎて、それまでの場面とそぐわない。基本的に男たちの物語ですが、母視点の悲しみも深みが足りなかったように思います。


☆☆☆★○
フライトナイト/恐怖の夜 邦題 フライトナイト/恐怖の夜
原題 Fright Night
制作 2011年 上映 106分
監督 クレイグ・ギレスピー 地域 アメリカ
フライトナイト(1985年)のリメイクですが、もうオリジナルは忘れてしまいました.......(^^ゞ ただ、恐怖感よりもコメディ色がかなりあったような記憶。
この作品に主人公の母親役でトニ・コレットが出ているので、ちょっと意外。コメディ色は薄いです。BGMが煽るような音ばかりでつまらない。エンドロールの音楽のような軽いタッチもほしかったですね。
しかし、期待していなかった割には面白かったです。案外みなさんヴァンパイアに理解があって、そんなバカな!というステレオパターンから少し抜け出している。主人公のアントン・イェルチンがいい感じで、現実と虚構の狭間をうまく結びつけているます。


☆☆☆○○
 邦題 デビルズ・ダブル ある影武者の物語
原題 The Devil's Double
制作 2011年 上映 109分
監督 リー・タマホリ 地域 ベルギー・オランダ
この監督の前作『NEXT -ネクスト-(2007)』は yu にとっては失敗作でしたが、今回は標準作。サダム・フセインの息子ウダイの影武者だったラティフ・ヤヒアの自伝にもとづく作品です。ドミニク・クーパーの二役で、演じる者としては、影武者とは反対に極端に異なる二人の人物を演じる面白さがあることでしょう。しかし、「デビル」というだけあって、史上最低のどら息子で、誘拐、レイプ、拷問、殺人など、狂気の人格であらゆる悪徳をまき散らすこの男の行状を見ていると吐き気を催します。
せめてもの救いは影武者のラティフがウダイに素直に従わず、反抗的に接することです。どこまで事実に基づいているのか明らかではありませんが、ウダイはずっと精神倒錯者で、ラティフが終始格好いいので、本人の脚色と映画の脚色がかなり入り込んでいることは間違いないでしょう。影武者としてやっていくためには、下劣な人間の真似もしなければ役に立たないはずですから。
被害者と加害者の自分に対する苦悩の描き方がまだ弱かったように思います。展開はしだいに復讐ものへと変化してしまって終わりを告げます。映画としてのカタルシスはあったのでしょうが、誰が、何がウダイを生んだのか、サダム・フセイン体制という舞台には何も手が届かず、サダム・フセインが真っ当な人のように見えてしまいます。


☆☆○○○
ダーク・フェアリー 邦題 ダーク・フェアリー
原題 Don't Be Afraid of the Dark
制作 2010年 上映 99分
監督 トロイ・ニクシー 地域 アメリカ・オーストラリア・メキシコ
制作・脚本にギレルモ・デル・トロがからんでいるので見ました。Tooth Fairy (トゥースフェアリー)をネタにモールラットを造形して、地下室の魔物を生み出したようです。しかし、よくある話というか、ほぼ定番の筋運びです。
子どもだけがその魔物の存在に気付いて大人に知らせようとするけれど、信じてもらえない。事態が深刻になってやっと解決に動こうとするけれど、手遅れになって対決することになるというヤツです。なんせ1973年のTVムービー『地下室の魔物』のリメイクなんだそうですから、新しいはずもありません。デザインの面白さもまったくありません。
魔物たちが襲う時と襲わない時があり、これがまったく制作側のご都合。ツッコミ入れるのに疲れてしまいました。家の構造にも、人間関係の構成にも、何も工夫が見られず。カメラのフラッシュという小道具を思いついたはいいが、活用できず。子どもにキャー、キャー叫ばせるだけです。
実は昨年10月に見た『ロスト・アイズ』(2010年)もギレルモ・デル・トロのプロデュース作品でしたが、ここでもフラッシュが使われていました。その作品はそこだけが良かったんですけどね......(^_^)


☆☆☆○○
幸せの行方... 邦題 幸せの行方...
原題 All Good Things
制作 2010年 上映 101分
監督 アンドリュー・ジャレッキー 地域 アメリカ
アメリカらしい映画です。現在も捜査中の人妻行方不明事件を題材にして、その夫の犯行として推理サスペンスに仕立て上げた作品です。この人物は関連する犯罪につていは有罪となりましたが、行方不明事件では罪を問われていません。裁判の中で過去を回想していく構成になっています。序盤はサスペンスでもなんでもない恋と家族の話で、ストーリーがどんどん進んでいくのでどういう展開になるんだろうと思いましたが、一挙に陰に入り込んでいきます。
日本でも三浦夫人銃撃事件があって「ロス疑惑」としてマスコミ報道が過熱したことがありましたが、あれを思い出します。関連事件で有罪、妻への銃撃事件としては無罪でした。時代としても同じ80年代はじめの頃の事件です。実在の人物をモデルにフィクションと言っても、人権はどうなるの?と思わずにはいられないし。
マスコミ的な興味を持って見れば面白いのでしょうが、日本人の感覚から言えば微妙ですね。サスペンスとしてよく出来ているとも思えないし。こういう作品に有名俳優が出るのも不思議です。邦題は原題そのままのカタカナにせずによく日本語タイトルにしたなあと思いますが、やはり困惑しているのか、「?...」なタイトルになっています。人情話ではなく疑惑の話だし、ある男の闇の話です。
この作品はキルステン・ダンストが出演していたから見ました。この作品では繰り返し「美人」という表現が出てきますが、yu は昔はどちらかと言えば苦手な容姿でした。しかし、最近は好きですね。演技を見てきたせいか、この人は他の女優が持っていない何かいいものがあります。自分がSF映画を撮るなら、一番にオファーします。まもなく「メランコリア」というSFを見る予定でいるので楽しみです。


☆☆☆☆○
パーフェクト・センス 邦題 パーフェクト・センス
原題 Perfect Sense
制作 2011年 上映 92分
監督 デヴィッド・マッケンジー 地域 イギリス
ハンディキャップレベルが低い順に長い時間をかけて五感が失われていく病が世界規模で進行していく過程を、1組の男女を通して描いたSF作品です。途中までは特定のシチュエーションの中での風景を描いた小品なのかなと思って見ていましたが、終わりにはこれぞSFという作品になっていました。
病気らしいことを言ってるけど、これは病気なのか?人類みんながそうなんだから、元からそんな感覚がなかったら失ったとは思わないし。実は現実世界でも僕たちは病気にかかっているのか。なんてことを映画を見ながらいろいろと考えてしまうのです。五感はいろんな煩悩を生み出す根源でもあり、神さまの人間浄化プロジェクトみたいな塩梅でもあります。ここまで五感と記してきましたが yu が見た限りでは五感すべてではありません。しかし、あちこち映画紹介をみても五感になっています。見落としではないと思うのですが。人間の感覚という大雑把な意味で五感と言っているのでしょうか。
このSFのもうひとつのミソは、ある感覚を失う前に強い感情を伴う症状が現れるところです。これがしだいに人類に希望を灯すことへと繋がる伏線となっていきます。ひとつずつ感覚をなくしながら、身体が心の中にあるものをはき出していく様は、仏教的な味わいです。そして視覚が失われた時、映画は詩になるのです。パーフェクト・センスが立ちのぼるのです。


☆☆☆☆○
永遠の僕たち 邦題 永遠の僕たち
原題 Restless
制作 2011年 上映 90分
監督 ガス・ヴァン・サント 地域 アメリカ
前にみたこの監督作品は『ミルク』(2008年)。ゲイの政治家を描いた作品でした。今回は死に行く者との別れがモチーフになった作品です。こういう作品は1年に何作見ているかわかりません。もううんざりなのです。しかし、人にとってはいつも隣にあることなのだから、どうしても次々と作られるし、見てしまう。
今回は少々変わり種。両親を事故でなくして生き残った少年。癌で余命三ヶ月の少女。二人を見守る戦争で死んだ日本人の特攻パイロットの幽霊。生きたくても死んだ者。死にとりつかれて生きている者。死につつあるけれど生きる者。三者が互いへの理解を深める三ヶ月を見つめます。
生と死が大きなモチーフになってはいるけれど、主人公たちは若者なので、そこに描かれたのは瑞々しい青春でした。特攻隊員が恋人に出さなかった手紙にはこう書かれていました。They tell us that we must scream,"Banzai," as we plunge into our target. I will instead whisper your name. 脚本はジェイソン・リュウ。
主演はデニス・ホッパーの息子ヘンリー・ホッパー。親父さんの若い頃とよく似ています。相手役はミア・ワシコウスカ。この人の過去作はだいたい見ているのですが、今まであまり印象に残りませんでした。今回は覚えました。『ジェーン・エア』(2011年)も見るつもりです。幽霊役の加瀬亮は手紙の文面からも読めるように、日本人というよりはアメリカ人に近い感じでしたが、紋切り型の特攻隊員ではなかったことはよかったのでしょう。


☆☆☆☆○
50/50 フィフティ・フィフティ 邦題 50/50 フィフティ・フィフティ
原題 50/50
制作 2011年 上映 100分
監督 ジョナサン・レヴィン 地域 アメリカ
なんでまた死に行く人のお話を見るんだろう。これも癌なのですが、50/50の確率なので、死んだかどうかは内緒です。なんとコメディに分類されていますが、これも青春ものですね。
どの人物のキャラもよく描かれていて、それぞれに共感できるというか、気持ちがよく伝わってきます。日本でも難病ものや死に直結する病気の映画はたくさん作られますが、すでにアメリカ作品は落涙を求めない別のレベルになっているように思います。
じっさい自分が主人公の立場だったら、深刻な顔をされたり泣かれたりしたらたまらないと思います。やはり笑い飛ばしてほしいものです。しかし、立場が逆だったら笑い飛ばせるかといえば、できないでしょうね。人にやさしくするということは本当に難しいことです。


☆☆★○○
Vフォー・ヴェンデッタ 邦題 Vフォー・ヴェンデッタ
原題 V for Vendetta
制作 2005年 上映 132分
監督 ジェームズ・マクティーグ 地域 イギリス・ドイツ
公開当時に見ていますが、今回はTV放送で見ました。もう忘れていたので見ました。忘れてもいい作品です......(^_^) 上の作品はジョセフ・ゴードン=レヴィットが坊主頭になりますが、これではナタリー・ポートマンが坊主頭になります。俳優は坊主頭になるのが好きなのかというぐらいよく頭を剃りますね。それほどの必要性がある設定とは思えないですけれど。
SF映画と近未来の独裁国家とは大の仲良しといってもいいぐらいたくさん作られていますが、これはコミックがもとになっているそうです。独裁国家という設定のSF作品はほとんどが失敗作だと思っていますが、これも失敗作の典型です。まったくリアリティがなく、スクリーンに映し出された独裁者とその側近たちが会議するというステレオタイプに象徴されるように、あらゆるステレオタイプが持ち込まれています。ただし、群衆が登場する場面はほとんどニュース映像を使っていることから、作り物の場面と現実の場面を意図的に浮かび上がらせるためだったのかもしれません。現実の社会を揶揄するために。
映画で解放の日となる11月5日はイギリスではガイ・フォークス・ナイトと呼ばれる日です。1605年にあった火薬陰謀事件を記念して生まれた風習です。ガイ・フォークスら、当時抑圧されていたカトリック教徒たちが上院の議場まで坑道を掘り、開会式を狙って議場をまるごと吹っ飛ばすというクーデター未遂事件でした。映画のテロもほぼこれをなぞっています。
火薬陰謀事件の露見は呆気なかったのですが、この映画の独裁者が倒されるのも呆気ない。こんな脆弱な政府が民衆を抑圧できるはずもないです。
ナタリー・ポートマンは『スターウォーズ』シリーズが終わってからの出演のようです。熱演ですが、作品が作品だけに浮き気味。『マトリックス』でエージェント・スミス役だったヒューゴ・ウィーヴィングは最後まで仮面を外すことなく演じています。
この仮面の男「V」が初めて登場する場面はなかなかいいです。こんなによくしゃべる仮面のヒーローはいないでしょう。イヴィーに「あなたは誰?」と聞かれたVが、仮面の男に誰と尋ねる逆説を指摘するところなどは私的にウケました......(^_^)


☆☆☆☆○
ジャンヌ・ダルク裁判 邦題 ジャンヌ・ダルク裁判
原題 Le Proces De Jeanne D'arc
制作 1962年 上映 65分
監督 ロベール・ブレッソン 地域 フランス
モノクロです。たぶん敢えて選択したモノクロと思います。映画は主要な登場人物のみを映して他は映しません。カメラはほぼ固定され、人物の動きもほとんどありません。カメラは屋外に出ても、決してパンしません。場面ごとに画面はフェイドアウトして真っ黒な画面が次の画面の間に挿入され、演劇を見ているかのような気分になります。
この裁判に関心がない人には単調で面白くないと思います。関心がある人にはすでにお馴染みのシーンですが、こういうシンプルな演出はいろんなことを考える時間を与えてくれます。また人が演技しない分、カメラがここぞという時に働くので、ジャンヌの孤独感が際立ち、刑場へと向かうシーンがキリストとだぶり、心に残ります。
いったい田舎の聡明な少女に過酷な運命を授けたのは誰、あるいは何なのでしょうか。彼女にふれる度、その疑問の答えを知りたくなります。いつかこの裁判記録を読みたいと思っています。


☆☆☆○○
裁かるゝジャンヌ 邦題 裁かるゝジャンヌ
原題 La Passion de Jeanne d'Arc
制作 1928年 上映 80分
監督 カール・テオドール・ドライエル 地域 フランス
ジャンヌ・ダルクの映画は現在までに40作以上作られています。これはサイレントの傑作とされている作品です。サイレントで裁判劇を見るのはかなりつらいものがあるはずです。実際、字幕が多用されています。サイレントの字幕ですから画面全面が字幕になります。それでも見る気になるのは、フランス人なら誰でも知っていることだからですね。
『ジャンヌ・ダルク裁判』も引きのない撮影でしたが、こちらの作品はカメラが一層寄って、顔が画面からはみ出さんばかりです。処刑の広場にカメラが出るまではほとんど顔の演技を見ることになります。ジャンヌは目を見開きはらはらと落涙するばかりで、司令官としての面影の片鱗もありません。これは「Passion=受難」に視点を当てているということなんでしょう。
『ジャンヌ・ダルク裁判』と異なる大きな点は火刑をじっくり見せることと群衆が描かれている点です。群衆は裁判中は広場でお祭り騒ぎをしていますが、処刑された時は涙し、暴動が展開されます。多くの人々が泣いていたという記録が残っているので事実が含まれると思いますが暴動はどうなのか知りません。しかし、映画としてはジャンヌが広場に引き出されてからは見応えがありました。フランス人にとってはジャンヌ・ダルクは愛国心とともにあるので、そういう気持ちが込められているのでしょうか。
音声を使えなかったためのオーバーアクションやクルーズアップの多用が今は逆に見るのに辛いものがありますね。サイレント期の傑作なのでしょうが、今見て傑作とは思いません。鳩が飛ぶシーンの使い方も感心しません。そして何よりも主役のルイーズ・ルネ・ファルコネッティの重苦しさ加重の演技には違和感が残ります。


☆☆☆○○
ジャンヌ・ダルク 邦題 ジャンヌ・ダルク (1999)
原題 Jeanne d'Arc  (The Messenger: The Story of Joan of Arc)
制作 1999年 上映 157分
監督 リュック・ベッソン 地域 フランス・アメリカ
見るのは2回目ですが、ほぼ忘れていました。これを見てジャンヌの両親が殺されているとか、姉が殺されているとかいうデマが出回っている訳がわかりました。どうしてベッソンは超有名なヒロインの家族にフィクションを加えたのかその理由はわかりません。彼の映画作法としては、映画の掴みとして初めに何か大きなエピソードを持ってくることが多いので、たぶんそのための演出という部分もあるように思えます。
復讐譚のように見る人もいるようですが、裁判と平行して描かれるジャンヌのシャドウ(抑圧していた心)との葛藤と結びついているので、そういう見方も可能になっていますね。しかし、史実では妹はいても姉はいなかったし、ドンレミ村を去る前に家族の誰かが殺された記録もないですし。だから、ジャンル・ダルクの新解釈ということにはなりえません。復讐する動機がない史実のジャンヌを知っている人にはこの映画をどう見たらいいのか戸惑ったことでしょう。史実のジャンヌ・ダルクとはかけ離れた人物像だし、家族のフィクションも考慮すると、実は史実とは関係のないまったく別の人物を描いたのだと考えたくなるぐらいです。
その一方で、一人の処女の悲劇として描かれるばかりではなく、やはり奇蹟として描かれているシーンもあります。実際、映画の冒頭で「ミラクル」と記されて始まります。英語タイトルもそのニュアンスが出ています。要するに一貫性がない。逆に言えば、どうでも解釈できますみたいなことなのかも。無神論の立場から描いた映画だと断定するには躊躇します。イエス・キリストでさえ最期の十字架上でも葛藤したようですから、ジャンヌの内面の葛藤はそれをなぞっているようにも思えます。好意的に見れば、あの対話は信仰とは何かを問い直す神の言葉のようにも聞こえました。天に召されたかどうかは問題ではありません。
映画はほぼ史実をなぞりながらも、史実とは異なる演出になっています。フランス人は歴史で習うでしょうからフィクションだとわかるでしょうが、外国人には大いに誤解を招く映画になっています。ジャンヌ・ダルクがなした奇蹟はオルレアンの解放とランスでの戴冠だけでなく、むしろ異端裁判で負けなかったことにあります。読み書きもできない農家の娘がたったひとりで、暴力に晒されながらも立派に闘ったのは異端裁判なのですから。
そんなわけで、野心的な作品ではありますが、成功しているとは思えません。きっと聖女ではなく、人間としてのジャンヌを描きたかったのでしょうが、それをまったく勘違いしています。神をはぎ取れば人間が見えてくるわけではありません。人間が必要としている神を描くことで人間が見えてくる部分もあります。それがジャンヌの物語です。ドンレミ村が焼き払われて家族が殺されるシーンの代わりに、静かな町での生活を描いてほしかったと思います。ジャンヌ・ダルクの映画はその後の展開を知っているので、掴みを準備する必要はありませんでした。冒頭の笑顔で野原を駆けるシーンはとても良かったのに、残念です。
もしお金もちだったら、ジャンヌの映画をジョヴォヴィッチのような顔立ちではなく、もっと田舎っぽい面立ちをした俳優を使って、きちんと史実を踏まえた4時間ものを作りたいですね。ジョヴォヴィッチが悪いと言ってはいませんよ。彼女はよく頑張っています。演出に問題があるんです。そもそもフランスの物語なのに、フランス人まで英語をしゃべって演技するなんていうのが一番だめです。フランス人でなくても不愉快だ.......(^^ゞ 吹き替えで見ろって? その通りです。ちなみに、ジョヴォヴィッチはウクライナ共和国生まれです。映像の評価分を加えて☆3つです。


☆☆☆★○
  邦題 ヴァージン・ブレイド ジャンヌ・ダルクの真実
原題 Joan of Arc
制作 1999年 上映 140分
監督 クリスチャン・デュゲイ 地域 カナダ
リュック・ベッソンのと同じ年の制作ですが、こちらはTVムービーです。これも見るのは2回目です。さすがに戦闘シーンは見劣りがしますが、映像もそんなに遜色ありません。脇を固める俳優たちもTVムービーとは思えない名優とベテランが揃っているし、脚本がしっかりしていて見応えがあります。特に台詞がよく練られていて良かったです。
これも史実と異なる部分があります。邦題タイトルは嘘ですよ。なぜそんなにいじりたがるんだろう。いろんな伝説があるので、そういうのを取り入れたくなってしまうのでしょうか。オレルアンの解放の後はすぐに戴冠式に場面が移るのもベッソンと同じです。ランスへの道のりはまったく触れられません。盛り上がるシーンになると思うのですが。
上の映画でもっと田舎っぽい俳優をと書きましたが、リーリー・ソビエスキーは意外といい線いってます。身体つきもがっしりしているし、声質も低音の感じがあっていい。甲冑は20kgはあるそうですし、これに剣をぶら下げて旗印を持って馬で駆けるんですから、線の細い女優では嘘っぽくなりますから。
この作品では家族も描かれ、ジャンヌの気持ちの動きを丁寧に追っています。カナダの制作でフランス語でいくかと思ったら、やはり英語でした。こちらのジャンヌは天に召されたようです。天使の描き方はTVムービーらしさが出て安っぽいです。180分ものがあるらしいのですが、それを見てみたいです。


☆☆☆○○
ジャンヌ・ダーク (1948) 邦題 ジャンヌ・ダーク (1948)
原題 Joan of Arc
制作 1948年 上映 145分 (カット版は100分)
監督 ヴィクター・フレミング 地域 アメリカ
この評価はオリジナルの145分での評価です。劇場では1度も見たことはありません。今回はレンタルDVD(カットバージョン)とアメリカのDVD(オリジナル版)です。カラーでスクリーンは1.33:1です。 日本のDVDはソースが擦り切れたVHSかと思うぐらいひどい画質です。色にじみもかなりあり、衣装の模様もはっきりしないほど。日本での評価が反映しているようなぞんざいな扱いです。その後で見たせいもあるでしょうが、アメリカのはレストアされてとてもきれいです。撮影賞でアカデミー賞をもらっているだけあって、色彩も深みがあっていいです。
子ども時代にも見ていますが、オリジナルだったのか、カットバージョンだったのかはもちろん記憶にありません。日本ではこの作品は悪評ばかりですが、アメリカではそれほど悪くはありません。日本版では僕も☆2つでしたが、オリジナルを見たら3つになりました。やはり大作の雰囲気を持っていますから。
カットバージョンは45分もカットされているので、作品としてはやはりボロボロです。細かいエピソードと、それぞれのシーンから間引いています。特に台詞のないシーンが狙われているみたいですね。だから何かやたらとおしゃべりなジャンヌに見えてしまう感じがあります。断髪のエピソードや、囚われの身になってからシャルル7世が助けに来てくれたと勘違いしたことがわかって落胆するシーンなど、ジャンルの繊細な心の動きを伝えることができなくなっています。
また、カットバージョンにはナレーションが入ります。カットされた部分を補うためのナレーションではなく、時代背景や場面の補足説明です。これが台詞に被さっている部分もあります。どうでもいいやみたいな仕事です。
しかし、オリジナルであっても感心しない演出です。『風と共に去りぬ』の監督とは思えません。制作の翌年に亡くなっているので体調でも悪かったのでしょうか。時代のせいもありますが、野外シーンもスタジオ撮影のような照明や音響だし、それもあって戦闘シーンも迫力がありません。BGMもうるさいだけ。甲冑はジャンヌのが一番ださくて、『オズの魔法使い』のブリキ男みたいです。
この作品では一番アメリカらしさが出ていて、内面の葛藤を見せるのはジャンヌぐらいです。残りの人物は悪人か善人かはっきり分けて描いています。
バーグマン主演の舞台『ロレーヌのジャンヌ』を引き継いで映画化された作品です。撮影時は30歳ぐらい。もっと若く見えはしますが。女優は美人の時代だからやたら美人だし、どうにも19歳の農民娘にはなりえません。映画の前半は年齢を気にしてかセリフの言い回しにあどけなさを加えていますが、これが不快です。また断髪後の髪型がどうにも変です。処刑前の髪型は、髪をすべて後ろに流して顔が別人のように精悍になりました。この髪型で通してほしかったですね。
バーグマンが憧れていた役でしたが、十年遅かったと同情します。十年前にまだ脂が乗ったヴィクター・フレミングを捕まえて作っていたら、もっといい作品がつくれたかも。そうなったら『風と共に去りぬ』が生まれていませんけれどね。
日本のDVDで見るのはやめた方がいいですね。TVでオリジナル放送があった時に見るのをお勧めします。


☆☆☆★○
ジャンヌ/愛と自由の天使

ジャンヌ/薔薇の十字架
邦題 ジャンヌ/愛と自由の天使(前編) + ジャンヌ/薔薇の十字架(後編)
原題 Jeanne La Pucelle: Les batailles + Jeanne La Pucelle: Les prisons
制作 1994年 上映 118分 + 122分
監督 ジャック・リヴェット 地域 フランス
今月6本目のジャンヌ・ダルク映画です。十年近く前に見ています。見たという記憶だけ.....(^^ゞ 前後編で4時間ですが、完全版の『ジャンヌ・ダルク/I 戦闘 II 牢獄』は5時間半になります。見たのは4時間バージョンです。さすがに長尺だけあって、上記の作品には描かれなかったエピソードも描かれ、ジャンヌという人物像がようやく形を現してきました。しかし、やはりランスへの道のりは描かれませんでした。どの作品も省略していますね。
邦題はアイドル映画みたいですが、エピソードに脚色はあっても、史実から離れたフィクションはありません。上の作品群では笑顔がほとんど描かれませんでしたが、これには笑顔があり、フランクな描き方です。ただし、主演のサンドリーヌ・ボネールも初々しさを表現できる年齢ではありません。そしてイングリッド・バーグマンのように、あどけなさを表現しようともしません。ボネールは細身ですので、甲冑姿も華奢な感じは否めません。演技は自然な演出です。
映画のつくりそのものに素朴な感じがあって、エンターテインメント性は低いけれど、リアリティのある描き方です。好感を持てるのですが、勝って盛り上がるようなシーンもなく、実に淡々としたもの。予算がないのか、やる気がないのか、戦闘シーンは省略されるか、おざなりの演出です。人数がいないし、兵士の動きが素人そのもの。
当初は後半が裁判になるものと思っていましたが、原題通り「Les prisons」で裁判よりも捕虜という状況に重点を置いています。ちょっと変わり種ですね。史実では捕虜となって最初に幽閉されたのはボーリュー・レ・フォンテーヌ城ですが、間もなく脱獄未遂を起こしてボールヴォワール城に移送されることになります。ここでのジャン・ド・リュクサンブールの家族の3世代にわたる3人(伯母・妻・娘)のジャンルとの交友が丁寧に描かれます。
裁判は型通りの展開です。どの作品でもそうですが、裁判の記録にもとづいてジャンヌの他の場面も描く参考にしています。この作品では、シャルル7世の謁見後のポアティエでの尋問シーンも描かれています。異端裁判での発言は他のシーンで活用されていることもあって、軽い扱いになったようです。もちろんそれだけではありませんので、この作品の姿勢を反映していると言えます。それは神秘化と俗化のどちらのベールもジャンヌに被せないということなのでしょう。
いわゆる偉人に付きまとう聖と俗の対立は、ジャンヌの場合は一層激しいものがあるように思えます。それが映画にも反映して、たくさんの映画が作られる一因にもなっているでしょう。映画の中で魅力的なジャンヌとはどんな人物なのか、残念ながらまだ出会えていない気がしています。


☆☆☆○○
聖女ジャンヌ・ダーク 邦題 聖女ジャンヌ・ダーク
原題 Saint Joan
制作 1957年 上映 110分
監督 オットー・プレミンジャー 地域 アメリカ
モノクロ作品です。原作は同名タイトルでバーナード・ショー。 これの戯曲を映画化したものです。そのせいなのか、すごい長回しの撮影です。ほとんど編集するシーンがないんじゃないの、というぐらい。これが案外いいんです。場面に引き込まれます。映像もなかなかいいです。特に群衆のシーンは良かったです。
これも戯曲のせいなのか、戦闘シーンはなく、セリフが圧倒的に多いです。これでデビューしたジーン・セバーグは撮影当時は18歳ぐらいでしょうか。ジャンヌと同じような年回りです。がんばりましたね。字幕が苦手な人は100%吹き替えでないと厳しいです。演技を見ている余裕がなくなります。
これは変わり種の作品でリチャード・ウィドマークの老人になったシャルル7世の枕元に、ジャンヌをはじめ当時の関係者の魂が次々に現れて回想していく設定になっています。この現在のジャンヌにはやはり違和感をぬぐい去れないです。
見始めた時はコメディタッチの作品なのかと思いましたが、次第に悲劇性を帯びていきます。セバーグもこの演技は辛かっただろうと思います。演出はところどころで舞台的な手法が取り入れられています。
今まで見た作品は火刑は焼かれる前に煙で窒息したと思われるような場面ばかりでしたが、これはすぐに火が身体に移って燃えていくのでびっくり。実際イギリス側の神父ストガンバーもそれを見ておののいてしまいます。
ジーン・セバーグと言えばヌーヴェルヴァーグの印象が強いですが、この作品でも現代的な娘のようなジャンヌと、悲劇のヒロインであるジャンヌの二人を見ているかのような気分になります。大胆な脚色の作品で、斬新さと違和感の両方で見ることになりました。
セバーグは自分の人生においても社会正義と闘いながら生きた人ですが、40歳で疲れ果て寂しく自死しました。アメリカ生まれですが、パリで眠っています。



ジャンヌ・ダルク 邦題 ジャンヌ・ダルク
原題 Jeanne d'Arc
制作 1900年 上映 11分
監督 ジョルジュ・メリエス 地域 フランス
モノクロに部分的に手で着色されたものです。フィルムの劣化が激しいのと、たった十分の作品なので評価するのは控えます。当時の人々がだれでも知っているヒロインを映像化したもので、それだけで十分というか、それ以外はありませんというか。
有名なエピソードのシーンを順番に描いていくもので、屋外のシーンはないようです。ジャンヌが捕まるシーンも含めてすべてセット撮影です。幽閉されている時に夢見るシーンでは画面の合成も行われています。なぜか街中を行進するシーンがやたらと長いです。耳でしか知らないジャンヌ・ダルクを目でも見たという体験は当時の人々を大いに感激させたのではないでしょうか。


☆☆☆○○
アニマル・キングダム 邦題 アニマル・キングダム
原題 Animal Kingdom
制作 2010年 上映 113分
監督 デヴィッド・ミショッド 地域 オーストラリア
純粋なエンターテインメントのクライムものは好きですけれど、生々しいクライムものは苦手です。評判の良いクライムドラマですが、やはり yu にはダメでしたね。実は『ゴッドファーザー』(1972年)もダメなんです。『アニマル・キングダム』は実話を題材にしているそうですが、オーストラリアではこんなにも容疑者を拘束できない法律なのかと、少々疑問。
結局この作品も家族の絆がモチーフになっているのですが、その正体がどんなものであるかは高が知れています。他人の家族の命をないがしろにするような家族愛は自己愛に過ぎないのですから、この映画の展開もやはりその通りに進みます。
犯罪一家という割にはその犯罪稼業を見せず、早々と警察との攻防戦に入ってしまうところもこの家族を理解する手立てを与えてくれません。主人公の少年の不用心さもなかなか理解できません。それが原因でガールフレンドが殺される始末。彼が犯す2番目の犯罪である最後のショットだけは理解できましたが、これからどう生きるのかやはりわからないままです。理解できないのを楽しむ映画なんでしょうね。でも、もっとわかりやすい本物の動物の王国を見ていた方が楽しいです。


☆☆☆○○
ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬 邦題 ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬
原題 Johnny English Reborn
制作 2011年 上映 101分
監督 オリヴァー・パーカー 地域 アメリカ
前作ジョニー・イングリッシュ(2003年)からずいぶん間が開きました。シリーズ化するつもりでいるんでしょうか。昔は何人ものコメディ俳優がシリーズを作っていたのですが、近年はすっかりなくなってしまいました。あまり面白くなかったせいでしょうか。
Mr.ビーンもあまり面白いとは思いませんが、このシリーズはスタッフがそこそこの映像を作るので見れるというところがあります。それでもあまり笑えないですね。使い古しのネタが多く、場面に工夫がありません。編集もうまくいっていません。チャールズ・チャップリンもイギリス人でしたが、彼の遺産を継ぐ人はいまだ現れないままです。
女王の頭をパンパン叩くシーンがあるのですが、日本で同じことをやったら笑うどころか映画館が燃えますよね。びっくり。


☆☆☆★○
三国志英傑伝 関羽 邦題 三国志英傑伝 関羽
原題 関雲長 The Lost Bladesman
制作 2011年 上映 109分
監督 莊文強(フェリックス・チョン) 地域 中国
タイトル通りの作品ですが、香港の歴史物アクションは安心して見られます。ドニー・イェンのアクションは言うまでもなく切れ味抜群です。だからこそ、ワイヤーなんか使わない演出でやった方が面白いと思うのですが、やはりワイヤーが入りますね。
その一方では話の展開は「義」が強調されすぎてキレが悪くなってしまった感じです。こういうのを人の描き方に深みがあるというのでしょうか。それほど「義」を重んずるなら、そんなに人を切りまくることはできないだろ?とツッコミを入れたくなるんですよね。
同じ場面が堂々巡りしているような感じがして、アクションしか印象に残りませんでした。


☆☆☆★○
預言者 邦題 預言者
原題 Un prophète
制作 2009年 上映 150分
監督 ジャック・オーディアール 地域 フランス
絶賛されているノワール映画です。フランスの昔のフィルム・ノワールは面白かったのですが、最近のはリアリティがありすぎて面白く思えません。これからはクライムものやノワールものは敬遠した方が良さそうです。ついて行けてない。
演技も脚本もしっかりしているし、けなすところがない。でも、長くて退屈になってくる。第一に気持ちが晴れないし......(^_^) このジャンルはこれからは内容を吟味してから見ます。結局、見なくちゃわからないんだけどねえ.......(^^ゞ


☆☆☆★○
パンドラム 邦題 パンドラム
原題 Pandorum
制作 2009年 上映 108分
監督 クリスチャン・アルヴァート 地域 ドイツ・アメリカ
見るのは2回目になります。西暦2174年のお話です。地球を捨てて惑星タニスへ移住する話なんですが、話は宇宙船エリジウムで展開します。ストーリーはそこそこ面白くできているので、モンスター色を薄めて知的に物語ってくれたらもっと面白くなったと思います。
近未来SFって、なぜか人食いクリーチャーが出てきてしまいますね。『アイ・アム・レジェンド』(2007年)もがっかりしましたが、この作品も人食いクリーチャーの襲撃から逃れて融合炉へ到着したら上がりみたいなゲーム臭がします。そんなことがメインではない作品なのにもったいない。船に危険が迫っているという設定があるのだから、今がいつで、自分たちがどこにいるのかを危険を冒しながら探っていく物語にしたら、もっと面白かっただろうに残念。


☆☆☆○○
エイリアン3 邦題 エイリアン3
原題 Alien3
制作 1992年 (完全版:2003年) 上映 145分(カット版114分)
監督 デヴィッド・フィンチャー 地域 アメリカ
今回は完全版を初めて見ました。公開時のカット版はつまらなかった印象しかありませんでしたが、今回はまあ楽しめましたね。カットされてたシーンが良かったのかも。完全版は監督がノータッチだそうです。
しかし、やはりあまりワクワクしません。ほとんど施設内シーンで、その施設が魅力的な風景かと言えば、のっぺらな印象が強いし、登場人物の描写もあまり印象に残らない。ようやくこの人物像が見えてきたかと思えば、さっさと殺されてしまうしで、またリセット。今回は宗教を取り入れているけれど、それが有効に働いている場面も見られない。
すでに3作目ということで、エイリアン自体の魅力を見せることもできなくなっているから、かなり厳しい条件です。それでこの長編を最後までリタイアさせないのは褒めてもいいのかも。しかしね、前2作がなければ飽きていたかも。
ひとつの見せ場になるはずのエイリアン捕獲作戦は狭い通路を走り回っているだけで、子どもの鬼ごっこと変わらない。どう追い詰めているのかもわからないから、緊迫感も出ません。カメラの動きもありきたり。リプリーが溶鉱炉に消えるシーンは「ターミネーター2」(1991年)のラストシーンとまるで同じ設定。たまたま同じになったんでしょうが、アメリカでの劇場公開は『エイリアン3』が1年近く後になっているし、日本では1年後だったので、みんな既視感があったでしょうね。今見てもまったく泣けません。
見終わった後で印象に残るシーンがあるかと言えば、坊主頭だけみたいな気もする......(^_^) せめて二人のビショップの扱い方にもう少し工夫をすれば、そういうシーンが生まれたのかもしれない。
今年はこのシリーズの新作として『エイリアン』(1979年)の前日譚が公開になるという話でしたが、『プロメテウス』というタイトルで単なる前日譚ではないらしいです。また、『ブレードランナー』の新作も制作されるとか。どちらもリドリー・スコットの再演です。
最近、SFは次々に作られるけれど、スペース・オペラがほとんどなくなってしまったように思います。こっちも頼むよ。


☆☆☆★○
ペントハウス 邦題 ペントハウス
原題 Tower Heist
制作 2011年 上映 104分
監督 ブレット・ラトナー 地域 アメリカ
ティア・レオーニがFBI捜査官? この監督と組んだ『天使のくれた時間』 (2000年)とは違って、スレた感じを出しています。『ジュラシック・パーク III 』(2001年)ではすっかりおばさんで、1年でずいぶん変わったなあと思いましたが、それも演技のうちでしょうか。
だめだめの邦題は相変わらず。原題のワクワク感を殺して、内容がわからない気の抜けたタイトルになってしまいした。
先月クライムものはしばらく敬遠するとか書きましたが、こういうタッチのは好きなんです。ベン・スティラー主演ですからクライムものというよりはコメディですからね。話の展開にエンジンがかかるまで時間がかかりますが、エンジンのかからないものを盗むのではしかたないかな......(^_^)
今までにないアイデアを見せてくれるので、前半のモタモタが吹き飛びました。こんなエレベーターの使い方というのは今までの映画ではなかったのでは。この作品のベン・スティラーはカッコよく撮ってもらっています。本人も満足なのではないかな。



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