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2011年02月


☆☆☆☆○
ウォール・ストリート 邦題 ウォール・ストリート
原題 Wall Street: Money Never Sleeps
制作 2010年 上映 133分
監督 オリヴァー・ストーン 地域 アメリカ
前作「ウォール街」の23年ぶりの続編。宣伝では「復讐」が全面に出ている感じでしたが、金融界の世界らしく、策略と愛の物語と言うべきでしょうか。面白かったです。しかし、金融の基礎知識まるでなしで見るとちょっと分かりづらいと思います。最後の結末が甘すぎたのが難点。娘との長年の確執と、さらなる裏切りをそんなに簡単に許せはしないでしょうし、娘を裏切るゴードンも改心するのがあまりにあっさり過ぎる。それまでの策略が浮いてしまいます。


☆☆☆○○
トゥルー・グリット
勇気ある追跡
邦題 トゥルー・グリット
原題 True Grit
制作 2010年 上映 110分
監督 コーエン兄弟 地域 アメリカ
ジョン・ウェインがアカデミー主演男優賞を受賞した『勇気ある追跡』(1969年)のリメイク。近頃やたら復讐ものが多いですね。ポスターを見る限りではかなり期待度が高かったのですが、現代的な演出ならこんなものかなという感じ。オリジナルではジョン・ウェインとキム・ダービー(『いちご白書』の女優)が互いにキャラを際だたせるような演出だったと記憶しているのですが、今回はみんなそれぞれのキャラが立っている感じ。やはり西部劇でのジョン・ウェインは忘れがたい。


☆☆☆○○
塔の上のラプンツェル 邦題 塔の上のラプンツェル
原題 Tangled
制作 2010年 上映 100分
監督 バイロン・ハワード 地域 アメリカ
ご存じ、グリム童話の『髪長姫』です。姫はなかなか魅力的なキャラになっているけれど、童話オリジナルに比べても話の底が浅いです。大人の鑑賞には不向きです。ポップなミュージカル仕立てになっていて、女の子には受けるかもね。Rapunzel の英語発音は「ラプンツェル」にはならないので、名前が呼ばれる度に字幕に違和感を覚えることになるのでしょう。まあ、吹き替えで見てください。


☆☆☆☆○
ぼくのエリ 200歳の少女 邦題 ぼくのエリ 200歳の少女
原題 Lat den rätte komma in
制作 2008年 上映 115分
監督 トーマス・アルフレッドソン 地域 スウェーデン
バンパイアものが続々と作られていますが、これはその中でもかなり異色性が高い。12歳の少年少女が主人公になるもので、当然殺人はあってもオカルト色はほとんどなし。リメイクされた『Let Me In』に比べると、色調もかなり明るい白で、ダーク感があまりありません。ポスターとは大違い。
思い出したのは『小さな恋のメロディー』(1971年イギリス)。古き良き時代の恋物語でしたが、あれを現在描くと、こうなるんじゃないかという趣があります。ただ、少年の孤独感を描く弱さがあって、二人が引き合う力の必然性が薄い印象を受けます。邦題、『ぼくのエリ 200歳の少女』はひどい。実際200歳であったとしても、「12歳」という年齢設定が重要なお話なんだから。


☆☆☆☆○
Let Me In 邦題 日本未公開
原題 Let Me In
制作 2010年 上映 115分
監督 マット・リーヴス 地域 イギリス、アメリカ
ハリウッドはリメイク好きだよね〜。オリジナル『ぼくのエリ 200歳の少女』とは微妙に設定が異なりますが、キーとなる場面はまるで同じと言っていい演出です。スウェーデン版にサスペンスを付加し、主演二人の孤独感を深める工夫がなされています。サスペンスの是非はともかく、二人の孤独感を強めたために、より深い印象を残す作品になったと思います。映像はダークです。オリジナルと比較すれば一長一短という感じです。
『Let Me In』というタイトルはうまいですね。3つぐらい意味が重ね合わされている。バンパイア・ルール、孤独感、セクシャリティ。日本公開はどんなタイトルになるでしょう。少女役はクロエ・モレッツです。『キック・アス』 (2010年) に続いて殺人役というわけで、もう子どもに殺人はやめさせて。


☆☆☆☆○
ヒア アフター 邦題 ヒア アフター
原題 Hereafter
制作 2010年 上映 129分
監督 クリント・イーストウッド 地域 アメリカ
『来世』なんて直裁な言葉でタイトルするとはびっくり。これがイーストウッド? タイトルからすればスピルバーグでしょ? 実際、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮です。
ひとつの死に様を描いた『グラン・トリノ』(2008年)の後にこういう映画を監督するのは理解できるところではあるけれど、スピルバーグのように来世を表現するのではなく、来世に感化されてしまった主人公たちがこの世に生きていこうと苦闘する姿を描いたものです。ラストシーンはやはりイーストウッドでしたね。
冒頭の津波シーンは、遠望するようなシーンではなく、まさに身近で巻き込まれるようなリアルさで見事でした。この特筆ものの映像も含めて☆4つです。案外、yu はイーストウッドの評価が低めです。
たぶんこの映画の弱点は、3つのストーリーがうまく絡んでいないところです。人がひとりで生きていけないなら、この世での3者の結びつきをもっと強い共感を持って描いてほしかったと思うのです。


☆☆☆○○
ドラキュラ 邦題 ドラキュラ
原題 Bram Stoker's Dracula
制作 1992年 上映 128分
監督 フランシス・フォード・コッポラ 地域 アメリカ・イギリス・ルーマニア
今月はすでにバンパイア映画を2本見たので、ついでにオリジナルに還るということで、ドラキュラ の原作であるブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』を見ることに。悲恋ものになっています。
コッポラのこの作品はゲイリー・オールドマン、ウィノナ・ライダー、アンソニー・ホプキンス、キアヌ・リーブス、モニカ・ベルッチ等、豪華キャストです。モニカ・ベルッチでもちょい役。ほんとにセリフがあったがどうかも記憶に残らなかった.......(^^ゞ キアヌ・リーブスをミナの夫に持ってきたことは失敗ですね。こういう美男をもってくるとウィノナ・ライダーの引き立て役になりません。
コッポラは舞台に凝る人なので、映像を楽しむことができます。しかし、yu としてはこの演出は好きじゃないですね。全部が大仰な感じで、もっと抑えた閑かな演出で見たかったと思います。


☆☆○○○
ソフィーの復讐 邦題 ソフィーの復讐
原題 非常完美(英題:Sophie's Revenge)
制作 2009年 上映 107分
監督 エヴァ・ジン 地域 中国、韓国
主演だけでなく製作にもチャン・ツィイーが名前を連ねています。韓国のラブコメに中国語でチャン・ツィイーが出演してみました、という感じの映画です。こういうキュートな役をやってみたかったんだな。見飽きた演出で面白くないです。こういうのは韓国人に任せなさい。
この映画を観てわかったことは、チャン・ツィイーがクールビューティーであるということ。そろそろその姿をまた見せてもらいたいものです。


☆☆☆☆○
英国王のスピーチ 邦題 英国王のスピーチ
原題 The King's Speech
制作 2010年 上映 111分
監督 トム・フーパー 地域 イギリス・オーストラリア
映画の設定がすでに面白い。だからキャスティングを間違えなかったらまず成功するはず。そして、実際キャスティングが良かったですね。特に言語聴覚士ライオネル・ローグを演じたジェフリー・ラッシュ のおとぼけ顔が他のキャストまで引き立てている。残念ながらこの種の映画も日本では作れない映画です。


☆☆☆☆○
グリーン・ホーネット 邦題 グリーン・ホーネット
原題 The Green Hornet
制作 2010年 上映 119分
監督 ミシェル・ゴンドリー 地域 アメリカ
これが☆4つとは非難されそうですね。前半は☆2つだったんですけれど、後半になって☆4つになってしまいました。映画化か遅れていたヒーローものです。元はラジオドラマだったそうで、yu らが知っているのはTVドラマですね。昔むかし再放送だったかちらっと見た記憶があるのですが、どんな雰囲気のドラマだったのか全く知りません。
映画はコメディタッチで、グリーン・ホーネット誕生譚というところです。今までのヒーロー物に飽きて、緊張感のないドタバタコメディにしたのかなあと思って前半を見ていましたが、後半になってこれはコミック映画として見たら面白いのじゃないの?という気になってきました。やはりキャメロン・ディアスが助演していた『マスク』(1994年米)ほどにはハチャメチャではありませんが、ちょっとお馬鹿な演出が後半のスピード感とマッチしてくるようになりました。ファンが多くいるヒーロー物だろうに、これはかなりの冒険作だと評価しました。



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