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2010年10月


☆☆☆☆○
インセプション 邦題 インセプション
原題 INCEPTION
制作 2010年 上映 148分
監督 クリストファー・ノーラン 地域 アメリカ
夢が素材ということで、かなり抽象的なシーンも頻出するのかなと期待感もあったのですが、そんなシーンはありません。まあ夢ならではの現実的ではありえないシーンはもちろんありますので、それなりに楽しめます。
薬を飲んでいたせいか冒頭30分が眠くて困りましたが、夢うつつの頭にはちょうどいい映画だったのかもしれません。よく出来たストーリーだと思いますが、長すぎる感はありますね。
これを見たお陰で久しぶりに三重夢を見ました。夢を見ながらこれは夢だと自覚できる人がいますが、僕も稀にできます。しかし、自分でストーリーをコントロールし始めるとだいたいすぐに目覚めてしまいます。こういう操縦できる夢も久しぶりに見ました。そんな夢を見るときの刺激剤としてこの映画は使えそうです。


☆☆☆○○
エアベンダー 邦題 エアベンダー
原題 The Last Airbender
制作 2010年 上映 111分
監督 M.ナイト・シャマラン 地域 アメリカ
主演のノア・リンガーの容姿はいいんだけど、原作がアニメということで、やはり話も映像もアニメっぽいです。『アンブレイカブル』の後は、僕にはまったく面白くないシャマランなので、とうとう路線転換を図ったかと思いながら見ました。
CGがたっぷり使われていることもあって、俳優よりもCGを見たという感じ。キャラがみんな軽い。シャマランは未だ五里霧中です。シリーズ第1作みたいです。TVドラマにしては?


☆☆○○○
エルム街の悪夢2010 邦題 エルム街の悪夢2010
原題 A Nightmare on Elm Street
制作 2010年 上映 95分
監督 サミュエル・ベイヤー 地域 アメリカ
また続編を始めたかと思っていたら、オリジナルのリメイクでした。数年前にオリジナルを再見して、あれ?ジョニー・デップが出てたんだと面白く見ました。デップはどこにでもいる高校生を演じていて、まさに脇役らしい。これでデビューしたそうです。よく芽がでたもんだ。
リメイクはオリジナルとほぼ同じ。しかし、オリジナルの方がシュールで映像の雰囲気が良かった。フレディ・クルーガーの面相も。犯罪臭が強くなってサスペンスのようになってしまった。そういう意味ではオリジナルと別物。


☆☆☆☆○
ロビン・フッド 邦題 ロビン・フッド
原題 ROBIN HOOD
制作 2010年 上映 148分
監督 リドリー・スコット 地域 アメリカ・イギリス
またロビン・フッドかね、と期待せずに見ましたが面白かったです。ロビン・フッドが誕生するまでを描く「ビギニング」ものです。それぞれのキャラクターをもっと丁寧に描かれていると奥行きが出て良かったのですが、アクションに重点がきてしまいましたかね。雰囲気はやはり『グラディエーター』です。
ラッセル・クロウばかり評価されますが、ケイト・ブランシェットもいいですよ。僕のお気に入り女優です。


☆☆☆○○
72時間 邦題 72時間
原題 THE CANDIDATE・KANDIDATEN
制作 2008年 上映 95分
監督 カスパー・バーフォード 地域 デンマーク
日本では未公開。DVDです。クライムサスペンスですが、よくあるお話。映像はいいのだけど、過去に見たサスペンスのリメイクかと思えるほどで、どういう罠か、黒幕はだれか見当通り。デンマークではあまり映画が見られていないのか?


☆☆☆☆○
アゴラ 邦題 アレクサンドリア
原題 Agora
制作 2010年 上映 127分
監督 アレハンドロ・アメナーバル 地域 スペイン
古代エジプトの女性哲学者ヒュパティアを縦糸にしながら、4世紀のアレキサンドリアを描く歴史劇です。天動説や地動説をめぐる哲学(科学)の話でもあるので、展開が少々地味なのは仕方ありません。
異教として迫害されていたキリスト教が勢力を持ち始め、今度はかつて迫害していた側と同じように、キリスト教以外の宗教を異教として迫害していく転換点と言えるような時代です。そういう紛争の中でヒュパティアは真理を求める自由を捨てることを拒み魔女として殺されていきます。大図書館でも有名であったアレクサンドリアは学問の場ではなくなっていくことになります。
どれぐらい時代考証ができたのかわかりませんが、アレクサンドリアを見られるのがこの作品のひとつの楽しみ。レイチェル・ワイズは社会派の作品によく出演していることもあり、なかなか知的に見えていいです。他のキャストも良かったです。
脚本がよく出来ていて、当時の社会、政治、宗教、哲学がうまく絡むように出来ています。なにより、登場人物の配置がうまいです。そのお陰で深みが出ました。
この作品は総司教キュリロスのように他教徒を異教として迫害した人物が後にキリスト教会から聖人として列聖されているという指摘もしています。主にユダヤ教とキリスト教の反目が描かれてはいますが、現在の宗教紛争の愚かさへのメッセージであることは明らかです。



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